第9話 いつもの自宅!?

「それじゃあ、また明日な」

「うん、それじゃあ」

「妹をレイプしちゃ駄目よ」

「じゃあ……また」


 そう言って、三人とも各々の自宅へと帰っていった。にしても、疲れたな……、なんで学校終わったあとにゲームセンター行って更に疲れなきゃならんのだ……。


 鍵を開け、そのまま中へと入る。


「ただいま」


 レティルと小夜が玄関に入った瞬間出迎えてくれた。


「「おかえりなさいませ、お兄さま」」

「ただいま……。なんで、レティルもメイド服着てるんだ?」

「それはもちろん、可愛いからですが?」

 

 そういうことを聞きたい訳じゃないがまあいいか。てか、俺は学校を一番で出たはずのになんでこいつは先に帰ってるんだ? また魔法でも使ったのか?


「今日は、私が家事を手伝います。任せてください」

「頑張って、レティルお姉ちゃん」


 やってほしくないんだけど……。昨日の二の舞になるとしか思えないんだが。


「さあさあ、それじゃあまず夕飯を作ります。取り敢えず、冷蔵庫をっと」


 冷蔵庫から、豚肉・りんご・玉ねぎ・人参・じゃがいもを取り出した。


「それで、何を作るんだ?」

「カレーですよ。まあまあ、見ててくださいって。まず、全部食べやすい大きさに切ると」


 そう言いながら、野菜を切っていくが、全部一回しか切っておらずただ半分の大きさになっただけだった。


「それの何処が食べやすいんだ?」

「えっ、一口でいけますよ」

「その一口はじゃがいもだけだろうが! ちゃんと、スプーンでいろんな具材が乗るくらいの大きさにしろ!」


 「なるほど……」っと、つぶやきながら、レティルは一つずつ小さくしていった。


「次に、野菜を鍋に入れて炒める? 炒める……いためる……痛める。なるほど!」


 鍋に入れた野菜を、いきなり包丁で刺し始めたので静止した。


「おい、何やってんだ!」

「ただ、野菜痛めつけてるだけですが」

「ちげえよ、炒めるってのは混ぜながら加熱するって事だよ!」

「なーんだ、そういう事ですか。そうならそうと、早く言ってくださいよ」

「普通、そんな事しねえから」


 てか、こいつ皮剥いてなくないか? レティルが居なくなったスキにじゃがいもは捨てておこう。もったいないが。


「次に水を入れ肉を入れ、蓋をして30分待ちます。その間に、お風呂洗ってきますね。星雲さんは、小夜ちゃんとゲームでもしててください」


 まあ、一回くらい任せて見てもいいか。最悪、鍋がだめになっても魔法で作って貰えばいいしな。


「よし、小夜。久々にやるか」

「うん、お兄ちゃ……お兄さまには負けないから!」


 それ、言い直す必要あるのか?




「出来ました!」


 テーブルには、赤色のカレー? らしきものがあった。


「なあ、これどうしてこんな色になってるんだ?」

「まあ、そんなことより。一口食べてみてください」


 これを……食べるのか? 覚悟を決めて食べた瞬間、俺はそのまま吐いてしまった。


「おrrrrrrr」

「汚いですよ、星雲さん。魔法で消しときますね」

「どうして、こんな味になった。何を入れたんだ」

「普通に、カレイとりんごを1個まるごとと、あとは万能の赤味噌。他にはソースケチャップマヨネーズ、めんつゆ。あと、とどめにサラダ油とケーキ三つほど入れました」

「今、トドメって言ったよな!?」


 なんで、それを入れて赤色になるなんだよ。赤になる要素ケチャップくらいだぞ。


「ささっ、もっと食べてください」

「食えるか!」

「お兄ちゃん、好き嫌いはいけないよ、ちゃんと食べ…………」


 小夜が、一口食べた瞬間倒れ込んでしまった。


「おい、小夜逝くな。しっかりしろ」

「お兄ちゃん……、三途の川とお父さんが見える……よ」

「まだ、父さんは生きてるからな、勝手に殺してやるな」

「なんか、大変なことになってますね」

「お前のせいだよ!」








 結局夜遅くになっても目覚めなかったので、取り敢えず小夜の部屋のベッドで寝かしておいた。


「星雲さん、私って何処で寝ればいいですか?」


 そういや、こいつの寝る部屋を考えてなかったな……。


「一階のソファはどうだ?」

「体が痛くなりそうなので嫌です」

「居候のくせに、文句言うんだな」

「まあ、確かに星雲さんからしたら、居候かもしれませんが、記憶をいじっているので、お父さまや小夜ちゃんからしたら、普通に住んでるだけですから」


 そう考えると、こいつかなりやばいやつだよな。例えば、記憶をいじられて、サイフを取られたりするかもしれないし。


「じゃあ、一階に座布団を敷いて寝る。これならどうだ?」

「却下です。もっと、ちゃんと寝たいです」


 別に、それでも普通に寝れると思うんだけどな。


「じゃあ、もういっそのこと床で寝るのは」

「今までで、一番最悪です。ふざけてるんですか?」


 ふざけてはいない。ただ、めんどくさいだけだ。


「じゃあ、どうすればいいんだよ。どこがいいんだ?」

「星雲さんの部屋は?」

「却下」


 俺の部屋に寝かせたら、何をされるか分かったもんじゃない。


 「ん〜」と、声を漏らした後扉の方を指差した。


「星雲さんの部屋のむかい側の部屋って、なんですか?」

「父さんの部屋だな。今はいないし、そこなら使ってもいいぞ」


 今は、家族になってる事だし。何も文句言わないだろう。


「分かりました。それじゃあ、おやすみなさい」

「ああ、また明日な。ちゃんと起きろよ」


 レティルは、そう言って部屋から出た。


「ふぅ……。なんというか、大変な一日が終わったな」


 布団の中に潜り、目を閉じ羊を数えていく。


「羊が一匹……二匹…………三……………」




 





 

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