第04話】-(戦斧を操る死神の双子
〈主な登場人物〉
紬/イトア・女性〉この物語の主人公
その他ギルメン〉カナタ、トゥエル、ユラ
ラルジュ、ラメール〉双子の兄妹、戦斧を操る
──────────
(客観的視点 続き)
「
そんな妹の姿など初めから無かったかのように無視し、ラルジュがイトア達に向けて尋ねる。
「
トゥエルがその
「黙れ」
ラルジュは、さらにトゥエルの怒りの
「ごめーん。ラメールの準備が手間どっちゃって。だって女の子なんだもん」
自分の事を名前で呼ぶラメールは、
「月の様子からして始まったばかりだな」
ラルジュはまたしても妹の行動を無視し、月を
「はい。恐らく一時間は余裕があるかと思います」
冷静さを取り戻したカナタが状況を説明する。
「充分だ」
するとラルジュが自分の武具を具現化していく。
彼の身体と相当する程の
「さっさと仕留めちゃおう」
ラメールもラルジュと同等の
「あんな大きな斧を片手で……⁉」
双子は四人よりも前衛に立つと攻撃の体制に入る。その視線の先に
「あ、私達は勝手にやってるから。そっちもお互い邪魔しない程度ってことでおっけー?」
トゥエルが肩眉を吊り上げ、目を細め腕を組む。
「遅れてきておいて、勝手ですわね」
そこへカナタが「まあまあ」と手を
「まあ、トゥエル、相手は子供ですから。分かりました。お互い干渉しない程度で仕留めていきましょう」
トゥエルは横目でカナタを見ると口を
「ラルジュ、行くよっ‼」
「…………」
─────
ラメールとラルジュは、
急に二手に分かれた獲物に
「…………っ⁉」
その様子をみてラルジュの唇が
「よそ見厳禁だよ。その角、よこせええええ‼」
狂気に満ちた口調に変わると
ガツンッと大きな衝撃音。
衝撃から
「何こいつ、かったぁ」
その様子を見ていたユラとトゥエルが顔を見合わせた。
「トゥエル、あの
「ええ、死神の双子……まさかこんなところで」
トゥエルの目が見開いている。そのこめかみにはうっすらと汗を
「たしか~トゥエルだっけ? 私達の事知ってるんだ?」
「子供の
トゥエルはまるで
「ちっ、変な通り名つけやがって」
ラルジュが吐き捨てるようにあからさまに顔を
「本当だよねぇ。弱いくせに冒険者名乗ってんじゃねえよって感じ」
口元に人差し指をあてラメールが首を
「カナタは槍かぁ。それなら私とラルジュであいつを引きつけておくからその
先ほどの狂気の顔つきから少女の顔に戻ったラメールがニコリとカナタに笑いかける。
「それでいいよね? ラルジュ」
「……問題ない」
ラルジュの視線は
「子供に支持されるのは
トゥエルが指揮権を戻そうと話に割り込んでくる。
「んじゃ、そういうことで‼」
ラメールは言葉を終わらせる前にまた
(続く)
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