第03話】-(ラメールの一目惚れ
〈主な登場人物〉
紬/イトア・女性〉この物語の主人公
ギルメン〉トゥエル、ユラ、カナタ
ラルジュ、ラメール〉共闘相手、双子
──────────
(客観的視点 続き)
──『
天から舞い降りた竜(雷電)が牙をむき
頭から綺麗に
「「「「──っ⁉」」」」
四人に
「吸収した⁉ こっちに来るぞっ‼ 避けろっ‼」
ユラやトゥエル、イトアのいる位置もその射程範囲に入っている。ユラは、ワルキューレの操作で身動きが取れないトゥエルの隣に行くと瞬時に
「イトアっ! 危ないっ‼」
一瞬の事で無防備だったイトアの身体をカナタが
「魔法を吸収し反射させる能力があるようですわね。イトア、放出系の魔法は控えなさい」
トゥエルは
その間にも
そこへカナタが槍を肩に
カナタの鋭い
どちらも決して目を
気に入らないと
カナタはまるで闘牛士のように
敵に背中を向けたままの
ワルキューレを
「何っつ⁉」
予想だにしなかった角の伸縮攻撃。
カナタは目を見開き一瞬の回避のチャンスを逃す。
──回避不可能。
その間にもカナタの身体は急降下し、上昇していく
「「「──⁉」」」
キラリと月明りに反射して豪速の何かが
─────
「おまたせ~」
「…………」
間の抜けた幼い少女の声が緊迫した空気を
「来るの、遅えぞっ! てか子供⁉」
ユラを筆頭に四人はその
一人は真っ赤な軍服のような服を
きっちりとした上半身の服装とは相反して丈の短いスカートを風になびかせ、優美な太ももから足先が女性ですら釘づけにしていく。
その
そしてもう一人は、反して少年だった。
白いシャツに黒のベスト、黒のひざ丈の
性別は違えどもその
「さっきの私が助けてあげたんだからいいじゃーん? じゃないと確実に殺られてたよ?」
少女の
「……くっ」
こんな子供に助けられたなんて……と、カナタが唇を噛む。
「私はラメール、こっちが兄のラルジュ」
ラメールと名乗った少女が簡単な自己紹介を済ます。
すると少女の視線がピタリと止まった。
岩からするりと身軽に飛躍したかと思うとカナタの前に着地する。両腕を後ろに回し首を
「それよりお兄さん、お名前は?」
「え? カナタですけど……」
「かなた……」
少女の瞳が大きく見開く。
その瞳が一瞬潤む。
「きゃぁ‼ 名前まで格好いい! お兄ちゃん私カナタのお嫁さんになるっ‼」
ラメールは、両手を頬にあて顔を赤くしながら興奮気味に兄の方に振り向いた。
「──えっ⁉」
面食らった顔をするカナタ。
この状況下でさらにラメールは場の雰囲気を
「お前、頭でもいかれたか?」
そこへ顔色一つ変えず兄が冷たく突き放した。
「だって~どタイプなんだもん」
カナタの顔を舐めるように下から上に見上げるラメール。今にも飛びつきそうな勢いに、カナタはその気迫に負け
決して視線を合わせてはいけないと本能が働いているようだった。目を泳がせている。
(続く)
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