第09話】-(今度こそファーストキ…/チャンスは三秒
〈主な登場人物〉
紬/イトア・女性〉この物語の主人公
トゥエル・男性〉ギルメン、半分心は乙女
その他ギルメン〉カナタ、エテル、カルド
──────────
(客観的視点 続き)
「イトア‼ どうしたんですか⁉」
イトアの変化に瞬時に気がついたカナタが動揺した様子で彼女の方へ振り向く。そして目を見開いた。イトアの瞳が
「これは、もう私の
イトアの正面に立った
「イトア‼ しっかりしなさい‼ こんな
この様子を見ていたトゥエルがイトアに向かって
見かねたトゥエルが対面上に位置した二人の距離を離そうとスカートを大きくはためかせ
「怖い、怖い」
トゥエルは、イトアの腕を
「しっかりしなさい‼」
両腕を激しく揺らす。それでもイトアの
─────
トゥエルは目を細め
親指を
「仕方ないですわね……こうなったら」
彼女は何か覚悟を決めた顔つきに変わり──。
虚ろなイトアの顔に近づきその唇に自分の唇を重ねた。
優しく触れ合う二人の唇。
トゥエルは唇を重ねたまま
「──‼」
目を見開くイトア。
「……なっ何しているんですか⁉」
その様子を終始見ていたカナタが口をわなわなと震わせ。
顔を
唇を離したトゥエルが冷静に答えた。
「こういう時は、ショック療法……という手もあるかと思いまして」
「しょ、しょっくりょうほうって……⁉」
「あら、女同士ですのよ。カナタとするよりましでしょう?」
カナタがトゥエルに
「何を今更……。分かってるんですよ……」
「ふんっ! 早い者勝ちですわっ‼」
「──っ‼」
勝ち誇ったような表情を浮かべるトゥエルを
─────
そして。
「ぷはっ‼」
「私は……何を⁉」
イトアは胸に手を置き目を見開いたまま荒い呼吸を重ねる。
「そんなことより、詠唱を‼」
トゥエルがカナタとの小競り合いを中断し意識を取り戻したイトアの両腕を
「解除するとは……余計なことを」
気に入らないと片眉を吊り上げ吸血鬼が
呼吸を整えたイトアの
再詠唱。
「やれやれ。少しお仕置だよ、イトア」
「させるかあああああああああああ‼」
大きくそして風を巻き込ませ高速回転する大剣が。
「どけえええええええええええええ‼」
初めて見せる
そこへ「この瞬間を待っていた」とばかりにカルドが
しかし
そして
「
イトアの合図で皆が
──『
イトアが手をかざすと同時にカナタは三十センチ程の長さの鉄の
「君がこの魔法を使いこなせるわけがないっ使えるは……」
すぐさま氷は
─────
チャンスは一度きり。
三)カナタが
二)身体を大きくのけ
一)槍を
零)氷が飛び散り
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ‼」
─────
上空にいたカナタは着地すると「ふうっ」と汗を
「イトアがいませんわっ⁉」
「ははは……イトアはこの舘のねじ曲げた空間の部屋に閉じ込めたよ……時の止まった部屋で……私が次に目覚めるまで大事に取っておく……早くしないと永遠にもう会えないだろうね……あははは」
──ガツッ。
トゥエルがその高いヒールで
「おだまりなさい」
「がはっ」
「ここは俺たちで後始末をしておくからカナタは先に探しに行ってくれ‼」
カルドがそう告げるとカナタは
─────
そして残された三人は
「これで数百年くらいはおとなしく眠ってくれるだろう」
「そうですわね。なんならこのまま永遠でもよろしいのに」
「
「あとはイトアを探しましょう」
カルドは
(続く)
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