第120話 閑話 日本の時の二人

「ゆうちゃん、お待たせ。」

「よかった、トイレの前に待機はきつかったよ。」

「あっ、ごめんなさい。」

「それでおやっさんに連絡はしたの?」

「それはまだ、今からするね。」

チカは電話をする。

「あっ、お父さん、うん、学校のパーティーは終わったんだけど、ゆうちゃんに会ってね、この後ゆうちゃんと一緒にいてもいい?うん、わかった、ありがとうお父さん♪」

「チカ、許しはもらえたの?」

「お父さんが変われって言ってる。」

チカから電話を受けとる。

「あっ、おやっさん、御無沙汰してます。」

「ユウヤ、話は聞いた、ちゃんと明日には連れて帰ってこいよ。」

「はい?何か違いません?」

「てめぇー、娘を傷物にしないと承知しねぇぞ!」

「おやっさん、逆、逆だよ!父親の発言と思えない。」

「せめて避妊はしねぇだろうな!」

「間違ってるから!ちゃんと無事に連れて帰るから安心してください。」

「ふざけてるのか!性なる夜に無事に連れて帰るだと!」

「おやっさん、間違ってますからね。そんなことばかり言ってるとチカに嫌われますよ。」

「大丈夫、俺は娘の気持ちをよく理解してるからな。」

「はぁ、まあ、シンもここにいますのでちゃんと送りますから。」

「おう、何も心配してないさ。たとえ子供が出来てもな。」

「また、そんなこと言う。後で家に行きますのでそんときは一杯やりましょう。」

「あいよ、ツマミを用意しておくさ。」

おやっさんとの電話を終えた。


「あー疲れた、まあ、おやっさんの許可はとれたから俺達の部屋に行こうか。」

「はい♪」

部屋に向かおうとすると一人の男の子が来た。

「チカちゃん、なんでそんな怪しいオッサンについて行くんだよ!」

「俺はオッサンなの?まだ23歳なんだが・・・」

「えーと、ケンゴくんは何を言ってるのかな?私がゆうちゃんと一緒にいる事の何が悪いの!」

「そいつはロリコンに違いない!そんな危ない奴と一緒にいたらひどい目に合うよ!俺はチカちゃんの事を想って言っているんだ!」

「ねえ、チカ、俺ロリコンなの?」

「ゆうちゃん、違うからね。ケンゴくんなんでそんなこと言うの、ゆうちゃんと一緒にいることはお父さんにも許可をもらってますから心配される必要はありません!」

「お父さんも、騙されているんだよ!」

「チカのお父さんを騙したら後こわいよね・・・」

「いいんです、何が合ってもゆうちゃんは責任取ってくれますから!」

「何も無くても責任取らされそうな・・・」

「もう、ゆうちゃんちょくちょくいらない事言わない。お父さんに怒られたらちゃんと一緒に謝ってあげるからね。」

「ほら、お父さんに怒られるような事をする気じゃん!」

「なんだろ、男の子が言って事は正しいのに、どう説明したらいいのだろう?」

チカはユウヤの耳元で、

「ちょっと言いにくいよね、エッチしないと怒られるって。」

「チカ聞いてたの!」

「聞こえてたよ、もう恥ずかしいかったんだからね。」

「俺のせいじゃないから!」

「てめぇー何無視してんだよ!」

ケンゴはユウヤに噛みつきだしたが・・・


「ゆうちゃん、遅いぞ!ってなんだそのガキは?」

シンは威圧しながらケンゴを見る。

「シン、ストップ!チカの学校の子らしい。チカに好意があって俺に噛みついてきてるだけだ。」

「なんだと!」

「だから、落ち着け!おい少年よ、さっさと帰れ、コイツはヤバイから顔を覚えられると面倒な事になるぞ。」

「は、はい・・・」

「ほら、後は俺が何とかしとくから、はい、ダッシュ!」

ケンゴは走って部屋に帰っていった。

「根性ねぇな!」

「お前の威圧受けたら仕方ないだろ、それよりしめるなよ。」

「あいよ、ゆうちゃんの顔を立てておくよ。」

「さあ、部屋に戻ろうか。」

「あーそれなんだけどな、」

「なに?」

「もう解散するわ。」

「はい?」

「俺はこれからミナちゃんと個別二次会なんだ。」

「てめぇー、俺といい雰囲気だとか言ってたのは嘘か!」

「それは嘘じゃないんだが・・・すまない、俺にも事情があってな、お前の恋を邪魔させてもらった!」

「またか!またなのか!いつもお前は盗っていくよな!」

「仕方ないんだよ、ゴメンゆうちゃん。」

「シンくん、ありがとう。シンくんの忠誠心は父に伝えておきますね。あとエミさんには内緒にしとくね。」

「はっ!おじょう光栄にございます。」

「なに?そのやり取りは、それより何回目だよ!」

「まあまあ、ゆうちゃん。今日は私と聖なる夜を過ごしましょうね♪」

「はぁ、仕方ない、俺はチカを送ってくるから、お前は、お・た・の・し・み・くだ・さ・い!」

ユウヤは怒りながら勘定をしに行った。


「すまねぇな。ただ板挟みの俺の気持ちもわかって。」

「シンくんには感謝してますよ。」

「おじょう、そう思うならさっさと仕留めてください。」

「だ、だって、私とゆうちゃんは歳の差があるし、女の子のほうからなんてはしたないと言うか・・・」

「おじょう、人生なにがあるかわからないんです、ヤれる時にヤらないと後で後悔しますぜ。」

「ん?何かイントネーションが違うような?」

「何二人で話しているの?」

「何でもないよ。」

「じゃあ、俺はチカと帰るから。」

「あいよ、この埋め合わせは後日な。」

「まあ良いさ、気にするな。」

「そうだよ、ゆうちゃんお家に帰って二人でケーキ食べよ♪」

チカはユウヤと腕を組む。

「おじょう、頑張って、ゆうちゃんは送り狼になれよ。」

「シン!お前もか!おやっさんとグルなのか!」

シンは言うだけ言ったら逃げて行った。


残されたユウヤとチカは仲良く家路につくのであった。

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