第117話 圧勝

「なんなんだ、これは・・・」

宰相ポルナレフは自軍の惨状に言葉が出なかった。

先程まで威風堂々と進軍していたはずが、海からの轟音と共に左軍は崩壊、我が領自慢の天馬騎士団は謎の飛行物体にやられ、全員落下して死亡。そのまま飛行物体は降下してきて前線の兵士は騎士達も含め謎の攻撃でほとんどが戦死もしくは戦闘不能になっていた。


「こんなバカな事があっていいのか!敵は一体何をしているんだ?誰か教えてくれ・・・おしえてくれよー!」

宰相の慟哭が響きわたる。


そこにおやっさんから放たれた第二空戦隊が到着、本陣の爆撃を始める。


上空から筒のような物が落ちてきたかと思うと地面が弾け飛ぶ、

「今度は何が起こっているのだ!」

「宰相閣下、ここは危険です。すぐに後方にお下がりください。」

側近達に連れられるが・・・

「お前たちどこに逃げるのだ?敵は空から来ているのだぞ?ここは唯一無事な右軍に合流して立て直しを行う・・・」

言った側で右軍に巨大な柱が落ちてくる。

落ちたかと思うと横凪に動く。

「あ、あれはなんなんだ!」

「宰相閣下お逃げください。我々にはアレに対抗出来るすべはありません。」

「そんなバカな事があってたまるか!何とかならんのか!」

「なりません、弓隊が応戦してますが早すぎて当たりませんし、そもそも見えない物が体を貫き多くの者が、亡くなっています。まだ、陣形をたもっていますがそれもいつまで持つか・・・」

「なぜだ・・・ワシには耀かしい未来が待っているのだぞ・・・」

「そのようなものはございません。さあ、早く退却を!」


「逃げれると思っているのか!」

倉田が本陣までやってきた。

「ひぃー!く、くらた殿、敵は我らじゃなく向こうにございます。帝国の為、戦う時ですぞ!」

「帝国など知るか!金子組のカチコミだ、大将は俺がいただくだけだ!」

宰相ポルナレフの意識はそこまでだった、

「敵大将、ポルナレフ、金子組舎弟頭、倉田が取ったぞ!勝鬨をあげろ!」

「おーーー!」


残された兵は降伏も許されず、手柄に飢える金子組の連中に執拗に狙われ、逃げきれたのはほとんどいなかった・・・

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