第116話 開戦
「いけー突き進め!」
宰相は勢いに任せ、鎮守府に攻めてきた。
そこには降伏勧告も開戦の連絡も無く、ただ、攻めてきた。
「なんだ、礼儀も知らん奴等か、ユウヤ俺が空戦隊を指揮するぞ。」
空母赤城に乗るおやっさんから楽しそうな声が無線ごしに聞こえてくる。
「いいな・・・俺も指揮したい。」
「お前は大和にいるんだから無理だよーここは空母に乗る俺の仕事だもんねー。第一空戦隊発艦せよ!敵先陣を蜂の巣にしてやれ!」
無線ごしにおやっさんが指示を飛ばすのが聞こえてくる。
「くそっ!」
ユウヤは乱暴に無線を切った。
「ゆうちゃん、なに荒れてるの?」
「チカ、おやっさんが楽しそうに零戦指揮してるよ。俺もしたいのに・・・」
「はぁ、ゆうちゃん、これは戦争してるんだよ。もっと真面目にしないと。」
「そうだった!これは金子組の戦争だった。俺も戦わないと!我が艦隊はこれより艦砲射撃が行える場所に移動する、行くぞ!出港だ!」
ユウヤ率いる第一艦隊は敵左翼を射程にとらえた。
「主砲、炸裂弾装填、」
「装填完了しました。」
「打ち方、始め!」
「うちーかーた、はじめ!」
大和の主砲が火を吹く、
敵左翼が吹き飛んだ、
「この一撃が歴史を変える。」
「ゆうちゃん、言いたいだけだよね。」
「うん♪さあ、みんな続けて撃ちまくれ、手柄は俺達のものだ!」
「おーーー!」
「もう、ゆうちゃんたら。まあ、戦場に出ないだけいいのかな?」
大和からの艦砲射撃を見ていたおやっさんは・・・
「ユウヤの奴抜け駆けしやがって!」
「おやっさん!第一空戦隊発艦完了しました。」
「よし、我等は敵航空戦力壊滅後、地上攻撃を行う。第一空戦隊は、敵本陣に向かい進軍せよ、その間に第二空戦隊は発艦後、空戦隊の後を追い敵を皆殺しにせよ!」
「ハッ!直ちに!」
「ハーピー、グレムリン、お前達がユウヤを慕っているのは知ってるが、手柄は別だ!ユウヤを戦わすんじゃねえぞ!」
「おー!」
「陛下の手を煩わすな!」
「全機遅れをとるな!」
空を駆ける、零戦を見て、おやっさんは・・・
「たまらんなぁ~艦長って最高だ♪」
上機嫌だった。
鎮守府
「シンさん、敵の突撃に合わせて、中央軍に零戦が向かっています。後左軍に陛下の艦砲射撃が始まりました。」
「アイツら遊んでやがるな!カズマ俺も出る、敵の右軍は俺が頂く。」
「まて、お前だけで行く気か!俺達金子組も全員向かうぞ。酒呑童子、悪いが鎮守府は任せた。」
「はい、御存分にお働きを。我等は陛下より鎮守府の警護を任されているもの、何人たりとてキズをつけさしません。」
「任した!まてって!シン先にいくなよ!」
カズマはシンを追って敵の右軍に向かっておた。
「陛下のご友人は実に頼もしい方達だ、我等は陛下の信頼を守る為にもこの鎮守府に敵を寄せ付けるな!各自外に配備し、矢の一本も射たすな!」
「ハッ!日本の魔物の恐ろしさ見せてくれましょう。」
ユウヤ達魔帝国は全員で手柄争いをしていた。
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