第68話 囚われの勇者
マコト「くそ!どうする」
勇者4人は与えられた部屋にあった広間に集まっていた
トオル「そんなにヤバイとこなのか?」
1人事情が理解しきれていないトオルは危機感が少なかった
マコト「どうにかして逃げないと俺達は殺されるぞ」
ミサキ「そうかな?私はここに残った方が安全だと思う」
マコト「そんなことはない!見ただろあの魔物をあんなのに囲まれて生きていけないだろ」
トオル「じゃあ、どうするんだよ」
マコト「幸いユキが魔王とその妃の知り合いみたいだから案内させて魔王を仕止めるのはどうだ」
トオル「奇襲か、いいね」
ユキ「お断りします、なんで友達を殺す案内しないといけないの?」
マコト「なんだと!生き残る為だろ」
ユキ「私はここに残ります、ユウヤさんがいるなら安心出来るもん」
ミサキ「ねえ、ユキ、私も残れるよう話してもらえないかな」
トオル「なに!なんでそうなるんだよ」
トオルはひそかに想いを寄せていたミサキの言葉に動揺していた
ミサキ「私わかったの、私達に殺し合いなんて出来ない、やってたのはチートな能力で一方的な殺戮だけ、ねえ、マコト、トオル、この城にいる魔物を見て、私達が勝てる相手?私はもう怖くて闘えないよ」
トオル「ミサキ!俺が守ってやる!」
ミサキ「トオルじゃ無理だよ、さっきまで意識なかったでしょ、そんな人がどうやって守るの?」
トオル「そ、それは・・・」
ミサキ「ねえ、魔物に負けたらどうなると思う?」
トオル「殺されるかな・・・」
ミサキ「そうだね、男はそれでいいよ、女の子はね、苗床にされるんだって、旅に出る前に冒険者の人が教えてくれた、わかる?魔物の子供を産まされるんだよ、しかも死ぬまで、私はそんなの耐えられない」
トオル「負けなきゃいいんだよ!俺達は勇者だ!簡単に負けたりしないさ」
ミサキ「負けたばかりでしょ!この時点で無事なのが奇跡、しかも、相手がユキの知り合いならここに居れば酷い目にあったりしないですむの!」
トオルは負けた事実もあり言葉が出なくなった
マコト「しかし、魔王を倒さないと日本に帰れない、ミサキは帰りたくないのか?」
ミサキ「それも法王が言ってるだけでしょ、もし帰りかた知りたいなら魔王のユウヤさんに聞けばいいじゃない」
ミサキの言葉で全員黙ってしまった
ユキ「なら、みんな明日までに各自で自分の道を決めましょう、くれぐれも後悔しないようよく考えてね」
マコト「ユキ、みんなで一緒に・・・」
ユキ「マコト、私はここに残るの、これは決定、あとのみんながどうするかだけど、残るならユウヤさんに紹介するし、帰るならお願いぐらいはしてみる」
マコト「それでも、全員で日本に帰ろう」
ユキ「はぁ、もともと知り合いでもないでしょ、生き残る為の選択は自分でして、私は決めたから」
ユキの言葉で解散になった
翌朝、ユウヤは4人を朝食に招待した、チカにお願いして日本食だった
食事の準備が出来たころ4人がやってきた
代表してユキが話しかけてくる
「おはよ、ユウヤさん朝食のお招きありがとうございます」
そこにチカが
「いえいえ、主人の頼みを聞くのも妻の役目ですから、ご友人のユキさんは我が家の朝食を楽しんでね」
「あら、奥様気取りはどうかと思いますよ?ユウヤさんは昔からチカちゃんの保護者でしょ」
「ふふーん、違うんだな♪この世界に来てから私とゆうちゃんの距離は果てしなく縮まったの」
「えっ!ちょっとユウヤさん、中学生に手を出したの?どういうこと?」
二人が話しているのをシンとユウヤは眺めていた
「なあ、ゆうちゃんや」
「なんだ」
「妹が俺に気付いてくれない」
「昨日は心配もしてなかったぞ」
「冷たくない?」
「お前だし」
「ゆうちゃんもひでぇー」
シンと話しているとユキが近付いてきた
「ちょっと、お兄ちゃん!どうなってるの!なんでユウヤさんとチカちゃんがいい感じになってるの?邪魔するのがお兄ちゃんの存在意義でしょ」
「ゆうちゃん、俺泣いていい?」
「うん、いいと思う」
シンがちょっと可哀想だった
「ユウヤさんもなんで中学生に絆されてるの?犯罪だよ」
「妹よ!ここは異世界そんなのは罪にならない」
「なにお兄ちゃん、2人を応援してるの?」
「ぶっちゃけしてる」
「なんで、ねえ、わかってるでしょ」
「まあまあ、ちと来い」
シンはユキを連れて隅っこに行った
「ここは異世界だ、重婚だってありなんだぞ」
「えっ!でも」
「おじょうはこっちに来て献身的にゆうちゃんに接してきた、おじょうの家庭的な所はお前も知ってるだろ」
「うん、でも、わたしも負けてないと思う」
「この離れていた期間が痛かった、ここから狙うなら第二夫人の座だな」
「それしかないのかな?」
「あきらめる道もあるぞ」
「いや!」
「なら、仕方ないだろ」
二人がこそこそ話しているうちに他の三人を案内し、先にご飯を食べる事にした
「こっちに来て日本食を食べてないと思うから用意したよ、ゆっくり食べていって」
マコト「ご飯に納豆、鮭の切り身に玉子焼に味噌汁、こんなのどこから・・・」
トオル「うめーこんなに旨いの食べたことない!」
ミサキ「おいしいです」
三人の箸が止まることはなかった
それからシンとユキも合流して朝食を味わった
朝食後、これからどうするか確認することにした
「さて、勇者の皆さんはこの後どうする?国に帰るなら送らすし、ここに残るなら敵対しない限り安全を保証しよう」
ユキ「私はここに残るよ、ユウヤさんもいるし」
ミサキ「私も残ります、ここの人達と闘って死にたくないです」
トオル「俺は・・・残る、迷ったけどミサキと一緒にいる」
マコト「お前達、正気か?魔物の味方するのか?いつかエサにされるぞ」
ユキ「ユウヤさんはしませんよ、まあ、敵対すればどうなるかは知りませんけど」
マコト「ユキ、お前は騙されているんだよ、このままじゃ人類の敵になるぞ、俺と一緒に帰ろう、そこのチカさんも一緒に来るんだ、必ず法国が君を守ってくれる、こんな魔物と一緒にいることはないんだ」
マコトはチカに手を差し出すがチカは気持ち悪いものを見てる目で
「お断りします、私は主人と一緒に幸せな家庭を作っていきますので」
拒絶したチカにさらに詰め寄ろうとしたが
ユウヤとシンがマコトの首に剣をあてた
「そこまでだ、なるべく手荒な真似はしたくなかったがチカに手を出すなら話は別だ、セーレ、コイツを法国に捨ててこい」
「かしこまりました」
セーレはマコトを法国の外れに捨ててきた
「他のみんなは残るのでいい?」
「はい!」
「じゃあ近々、近所の村に家を建てるからそれまで城で暮らしてもらえるかな」
勇者三人が魔王の手におちた
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