第56話 スタンピート
倉田はおやっさんと別れたあとは皇都に戻るため、部隊をまとめていた
すると近隣の調査を命じたものが報告にきた
「頭、魔物の群れが隣の街に近づいているみたいですぜ!」
「そうか、訓練がてら片付けて行くか!てめえら、狩りの時間だ始末しに行くぞ」
「頭、魔物の群れは一万はいると思われるますが?」
「関係ない!目の前の者を斬り続ければいつかは終わる」
「そんな事を出来るの、人間やめた倉田の兄貴だけですぜ」
銀次は話を聞いて、ちゃかした
「ほう、銀次は先陣をきりたいらしいな」
「ちゃいます、俺は後方支援が得意です」
「遠慮するな!いらんこと言える余裕があればいける!」
銀次は助け求めるように周りを見た
兵士達は目を反らした
兵士の視線に気づいた倉田は
「おい!てめぇら、そんなに戦うのがいやか?根性叩き直してやる、お前らも銀次と一緒に突撃してこい!」
「えーーー!!」
「なにか文句あるか?」
「了解しました!すぐ準備します!」
身の危険を感じて兵士は敬礼し、すぐさま準備を整え、出発した
隣の街が見えてきたのと一緒に魔物の群れも見えてきた
「なかなか数はいるが、強そうなのはおらんなぁ~つまらん!銀次片付けておけ」
「あいよ、今回突撃命令ででる組は行くぞ!」
「了解であります」
「いざ、しゅつじ・・・」
出ようとしたら街からの攻撃でかなりの数の魔物が消し飛んだ
「はい?」
銀次を含め、兵士達はあっけにとられたが
「お前らは自分の獲物獲られて悔しくないのか?さっさと突撃せんか」
「倉田の兄貴、あの攻撃の中に突っ込むのは無茶ではありませんか?」
「かわせばいいだけだろ?いけ!」
倉田将軍は鬼だった
兵士達は泣きそうな顔で突撃を開始した
幸い街からの攻撃は止めてくれたらしく、無事突撃に成功し、街にたどり着いた
「ふう、助かった~」
銀次は魔物を切り抜け、鬼から離れた事で一息ついていた
「あれ、銀次さん来てたんですね」
振り返るとそこにはチカの姿があった
「おじょうこんなとこでなにを?」
「街に買い出しに来たらスタンピートが起きたってきいたから、ゆうちゃんとシンが戦ってたの」
「あの攻撃、あいつらか?こっちにきてどんな力を手に入れたのだか?」
盗んだアイテムで暴れてる事を知ってるチカは苦笑いしながら
「アイテムを使っているみたいだよ」
「あいつ、いいアイテム見つけているなぁ~」
「あれ、銀次さん、いたんですか?」
ユウヤがこちらに向かってきた、その姿に違和感を覚え、銀次は聞いてみた
「ユウヤ、お前怪我してるみたいだが大丈夫か?」
「さすがですね、キズは無くなりましたが違和感が残っているので、なるべく接近戦はさけてるとこです」
会話を聞いてチカは冷たい目をして
「ゆうちゃん、そんな状況で戦ってたの?ねぇ、無茶はダメっていったよね?」
「無茶はしてない、ちょっとだけ違和感があるだけ、だから戦いも安全第一で行ってるよ」
「むう、あとでお話だからね」
二人の会話を聞きながら銀次は
「相変わらず、仲いいな、チカちゃん少しは進展したのかな?」
チカは顔を赤くしながら
「にゃあ、銀次さんこれはそうじゃなくて、その、まあ、でも、まだ・・・」
支離滅裂な答えをしていた
「まあ、それはおいといて、銀次さん兵士を率いているの?」
「おう、なんと倉田の兄貴が将軍になって一軍のトップになってる」
巻き込まれるのを懸念し心の声がもれた
「近づきたくないなぁ~」
「俺もだが、既に逃げられない、お前はいいよ、何かあればチカが庇ってくれるから、俺何か死と隣あわせだよ、今回も魔物の群れに突撃してこいだぞ、おかしくね?普通死ぬよね」
苦笑いしながら
「ご苦労様です、でも、若手もシンがそんな感じですから、でもそんな苦労人に朗報です、なんと神話の武器が今ならなんとこの価格で手に入るチャンス、今だけです、今だけの特別特価、さあお買い得ですよー」
といいながら袋から
「杏翼(きょうよく)これは風と雷を起こす事が出来るアイテムです、あと村雨です、血を自動で洗い流したり、霧を発生させる事ができる刀です、銀次さん刀が得意でしたからね」
村雨を見ながら
「ユウヤ、貰っていいのか?これすごい物だろ」
「これを使って、倉田さんに殺されないよう、頑張ってください、あと邪神復活の影響で魔王が発生しているのでお気をつけて」
「な、なに邪神、魔王?何それ?」
「俺達がここに来たのはその為らしいけど、俺は田舎で隠居するから、軍にいる倉田さん中心に頑張って」
「お前も俺に無理押し付けるの!」
「勿論、銀次さんは倉田さんの担当だし、平和にすごすよ」
「お前に平和主義は無理だ、おとなしくシンと一緒に魔王倒してこい」
チカは銀次との会話に入り
「銀次さん、ダメですよ、ゆうちゃんは平和に私とすごすの」
「チカちゃん、ユウヤはやれる子だ、このまま倉田の兄貴のところで働けば、きっと将軍にもなれる、都で将軍の妻、チカちゃんひかれない?」
「都で将軍の妻・・・」
「貴族になって、お話の姫様のような生活」
「お姫さま・・・」
「チカ惑わされるな!都会は危険な誘惑に溢れてる」
「きけんなゆうわく、ゆうちゃんがたぶらかされる?」
「チカは自然に囲まれた生活も好きだろ?都会はたまに遊びに行くからいいんだよ、今度二人で行こ」
ユウヤは倉田ルート回避の為、チカの説得に全力を尽くした
「わかった、ゆうちゃんと2人の生活がいい」
回避に成功した
「ユウヤ、汚いぞ!お前も地獄に来い」
「やですー、がんばってー、あと倉田さんにこれデュランダル、これは折れない剣らしい、倉田の力にはこれぐらいないと」
「まじ、不味いってあの人素手でもヤバイのにこんなん渡したら、邪神も斬りそう・・・ありか」
「ありでしょ、軍人さんは国に貢献してね~」
渡すものも渡したし、こっそり銀次から逃げシンと合流した
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