第5話 歩き始めると
何か懐かしい気配がするので、
その方に向きを変え歩くと一人の女の子が木の下に座り込んでいた。
あの子は!? あわてて走りだし女の子の元に!
「チカ、無事か?」
「ゆうちゃん!」
泣きながら彼女は俺に抱きついてきた。
「よかった、ゆうちゃんいた、広間に居たのに気がついたらみんな居なくて、もう会えないのかと思った。」
泣いてる彼女の頭を撫でながら落ち着くのを待った。
彼女はおやっさんの娘で名前はチカ、14歳。
昔はよく遊んでいたが思春期をむかえちょっと距離はあいていたのだが、
この異常事態で不安だったのだろう、
こんなふうに抱きつくことはなくなっていたのだが・・・
しばらくして、泣き止んできたので、
「チカ、落ち着いた?」
「大丈夫です、ごめんなさい、取り乱しました。それでゆうちゃんここはどこなのでしょう?」
「異世界らしいですよ。」
さっと答えたが彼女がジト目をして聞いてくる。
「あの~軽く言ってますけど何があったのでしょうか?何か知ってますよね?」
「えーと、神様名乗る人にあってー」
取り敢えずこれまであったことを説明した。
「なるほど、よくわかんない事がわかったよ
でも、お父さんもみんなもいるんだね。」
「たぶんね、それまでは俺がチカを守るから。」
「あ、ありがとう。頼りにしてるよ、ゆうちゃん。」
顔を赤らめながら照れる姿は非常に可愛く
俺も動揺しつつ、
『俺はロリではない紳士である』と言い聞かせる。
頼れるお兄さんであらねばと心に誓った。
「ねえ、ゆうちゃん?しばらくは二人きりだね♪」
チカは何処と無く嬉しそうだ。
「そうなるね、でも、ちゃんと守るから心配しないでよ。」
「それは心配してないよ、私もゆうちゃんの役に立ちたいな。」
「気にしないでお兄さんにあまえなさい。」
俺はチカの頭を撫でた、
「そーじゃないの、子供扱いしないで、二人で助け合って行こうって言いたいの。」
チカはちょっとむくれていた、
「あー、頼れるとこは頼るよ、お願いね~」
「なんか軽くないかな?」
「そんなことないよ、さあ、そろそろ出発して町を探さないと野宿になるぞ。」
「むーはぐらかしてる~でも、」
チカは腕を組み、顔を赤くしながら。
「さあ、行こ♪」
と出発をうながした。
「ああ」
俺はチカの発育途中の胸が腕に当たっている事を指摘するかどうかで悩んでいた。
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