27回目 聖女に逃げられたら、私のストーカーになった。

「嫌がらせで聖女マリーを傷つけた公爵令嬢ローザと婚約を破棄して、聖女マリーと婚約をする」


そんな形で

婚約破棄されて、傷心旅行に出かけた。


王子による断罪劇は、なぜかお咎めなし。


婚約を破棄されただけ。


でも、それなりに好きだったから、従者を同行させずに、あちらこちらをふらふらしながら旅行する。


完全に自由だったこともあり、段々面白くなってきたけれど、


あのストーカーは何だろう。


婚約破棄されたはずなのに、王子が尾行しているんですが。


後ろを振り返り、逃げようとした王子を捕まえ、壁ドンしてみました。


「婚約破棄したのに、なぜ憑いてくるのですか!背後霊かっていうの」


「だって、聖女マリーに逃げられたから」


なんだそりゃ。


「宰相の令息と駆け落ちされた。後は、君しかいないんだ。婚約破棄は白紙に戻すから帰ってきて」


「お断りです」


それからの旅行は、逃避旅行になってしまって、それなりに楽しめたのですが、なんだかよく分からないことになってしまい。

気がついたら、出生国から遠い国で夫婦になったり、子どもを育てたり、それなりに平和に暮らしました。


あら、最近はおとなしい終わり方ね。

誰も追いついてこないけれど。

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