トライ&エラー。

 カカオ豆は溶けないと結論づけたわたしは、カカオ豆を溶かすための何かが必要だと考えて、市販のチョコレートの原材料を見ます──と書ければ格好いいのだけど、残念ながら格好よさの欠片もないわたしは安直にネットに頼りました。クックパッド先生です。

 とは言え、カカオ豆と砂糖だけで作るレシピも本やネットを参考にしているので正直半信半疑です。増えた材料はカカオバターとスキムミルクの二つだけ。

 大雑把な作り方はカカオニブをフードプロセッサーで粉末状にして、砂糖とカカオバターとスキムミルクを混ぜて湯煎で溶かす。溶けたものを型に入れて冷やしてできあがり──なのだけど、やっぱり溶けません。

 余談だけど、この手作りチョコレートに挑戦をしながら、動画配信サイトでアニメ『Dr.Stone』を見ていました。カカオ豆が全然溶けなくて心が折れかけたとき、PCモニタでは主人公の千空がいつだって科学アイテムを作るためのトライ&エラーを繰りかえしていました。「唆るぜこれは」と言いながら、クッソ地道な努力を続ける姿にどれだけ勇気をもらったことか。もっとも、わたしは科学アイテムではなくてチョコレートを作ってるだけなのだけど。

 やっぱりチョコレートは無理なのかと諦めかけたとき、湯煎にかけていたカカオマスに変化がありました。液状とは程遠いけれど、お饅頭の餡子のようになっていきます。

 餡子状になったカカオマスを根気よくこねていくと、やがては液状になるそうなのだけど、まだまだ時間がかかりそうです。翌日も仕事でこれ以上はあまり時間がとれず、途中で切りあげて冷やすことにしました。それでも固まってできたものは一応はチョコレートと呼べるものになっていて、ようやく光が見えてきた感じです。

 後日、充分に時間を作って再チャレンジをして液状になるところまでは上手くいったのだけど、最後に結構な量の水が混ざってしまって、ちゃんと固まりませんでした。失敗の割には意外とチョコレートではあったけれど。

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