第3話 身のこなしは流石、特殊部隊の隊長だ。

 あの惨劇で命を落とした敷島隊長が異形の地に現れた。ただ丸腰のこの状況は絶体絶命。

 身のこなしは流石、特殊部隊の隊長だ。


 〜○〜


 〈くっくっく〉とまた引き笑いの声。


「だって腕にSHIKISIMAって書いてあるんだけど」

「は〜コリャ参ったな〜おじさん〜とでも言うか!」騙されないぞこの悪魔め!

「ね〜敷島さん、向こうにもう一人、おじさんと同じ様に這いつくばって遊んでいるSAITOUっていうおっさん居るんだけど。。。どうする?」


「な〜!そりゃ何処だ!うーんとこの岩の反対側」

「な、なななな〜早く言えはやく」


 “敷島隊長”は身構えて曲げていた足をバネのように伸ばして岩の反対側に跳躍する。

「“斎藤”〜」っと掛け声を引きずったまま、“敷島隊長”は更に空中を飛んでいく。

 見事な反射神経“斎藤隊員”の巴投げが決まった!

 〈ボチャーン!〉暫くして水面に落ちる音がする。


「あいたたた〜この〜”斎藤”お前な〜」と満面の笑みを浮かべて“敷島隊長”が駆け戻ってくる。

 “斎藤隊員”も「隊長〜」と涙声で応える。

「いきなり現れるので投げちゃいましたよ」

「ここは靖国ですか、他の連中は?」


 ふと、“悪魔小僧”が気になり背丈と同じ位の高さの岩を仰ぎ見る。

 その突端で“悪魔小僧”が立って遠くを遠望している。


「おい!“悪魔小僧”お前の狙いは何だ⁈」と、“敷島隊長”が声を荒げる。

「も〜気をつけてコソコソしてたのに大きな音立てるからenemiesが気がついてこちらに向かって来始めたよ!もー嫌になっちゃうわ」

「ハ〜、enemies!はお前だろうが、ならお前は何だ“悪魔小娘”!」

「も〜今は説明は後、えーと味方だから、ね、味方!」

「で〜ちょっと急がないと死んじゃう事になるので、ちょっと協力してよ」


 そうこう話している内に“悪魔小僧”が遠望している方向から殺意ある気を放つ集団が近づいて来ている気配を感じる。


 ここは、自衛隊員!優先すべき危機意識は高い。


「分かった、何をすれば良い?」

「うーんとね、僕は、 エミリア=アルケミーオ。

 色んな造形物を錬金出来る錬金術師さ。

 おっさんたちさ、アレと戦う為に必要な物資を思い浮かべてよ」


「早く!!」

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