第25話 融合 Ⅱ
「どうじゃ?凄い事になっておろう?」
何これ?腕にめり込んでるのか?この血管みたいなのは何だ?
自分の腕の状態が想像以上におかしいことになっていた。
どんな状況になったらこうなるのか。幾ら考えても解らないことだらけだった。
「大丈夫か?まぁ、突然自分の腕がおかしいことになってたら困惑するよな。」
「え、ええ。どうしてこうなってるんですか?」
「説明するとの、エリスがペンダントを壊した後におぬしが傷だらけで混乱したエリスが治癒魔法を掛けたのじゃ。その後に、わらわの従者が治癒魔法を掛け直したんじゃが治癒が終わった後に壊したペンダントの破片がおぬしの両腕にめり込まれてるのに気づいたのじゃ。治癒が終わると破片同士が光り輝いたと思ったら血管みたいなので繋がりだしたんじゃ。一応、調べさせたが異常は見られないのでそののままにしておる。詳しくはおぬしが目覚めてから調べる事にしたのじゃ。」
「そうでしたか・・・・。ありがとうございました。」
「礼を言われる程ではない。わらわの不注意で起こった事故じゃからの。」
「「・・・・・・・・」」
異常は無いのか。確かに腕は動かせるしな。しかし、これは一体何なんだ?精霊と関係あるんだろうか?
意識してみてって言ってたな。魔力を通したらいいのか?
「ク、クライス?」
「・・・・・・」
「な、なんじゃこれは?」
「クライス君・・・・、君は何をしてるんだ?」
突然クライスが黙ったと思ったら両腕の結晶が輝きだした。
その輝きは次第に強くなっていき、先程までの淡い輝きでは無く力強く輝いている。
更に力強く輝いたと思ったら今度は腕を優しく包み込むように輝き、胸の前に二つの人の形を作り出した。
「やっと意識してくれたね。」
「遅いよ。いつまで待たすんだい?」
その光り輝く小人にクライス以外の全員が驚く。
「これは一体・・・?しかも話したじゃと!!!」
「光り輝く小人?でも、クライスが作り出した?」
「これはまた・・・・・。」
いきなり現れた光り輝く小人。全身が輝いているので顔などの判別は出来ない。しかし、かなりの魔力を内包しているのは感じ取れる。
「クライスよ。もしやこれが精霊なのか?」
「そうだよーー。私は光の精霊。」
「僕は雷の精霊だよ。やっと外に出られた。」
クライスの代わりに精霊が答える。
どうやら、クライスだけでなく全員に声が聞こえる様だ。
皆、声が聞こえるようになったか・・。しかし、魔力を通して意識を集中したら出てくるとは・・・・。
全員の困惑など関係ないとばかりに現れた精霊はクライスの前で浮かび続ける。しかし何処かに行こうとはしない。それに気づいたのはやはりリリカが一番だった。
「む?もしや、クライスから離れられないのか?」
「そうだよ。僕は右腕と繋がってるよ。」
「私は左腕ーーー。だから遠くには行けないの。」
「では、出てくるのは何時でもできるのか?」
「出来るよーーーー。でも、この子の許可が必要かな。」
「そうだね、普段は彼の中で寝てるから起こしてくれたら出てくるよ。」
繋がっている?俺の魔力で出てきたからか?それにしても普通に会話してるな
精霊とリリカは普通に会話を始める。
リリカの疑問に精霊が答える。他の三人は静かに会話を聞くばかりだ。
「離れることは出来んのか?」
「難しいんじゃないかな?この子の魔力神経と混ざっちゃったし。」
「そうだよねーーー。でも、この子の中居心地良いし出ていきたくないかなーー。」
「あーーー確かに。多分、この子の魔力が僕達と同じなんだよ。」
「魔力神経と混ざるじゃと!!!!それに、魔力が同じ?それは適性の事を言っておるのか?」
「難しいことは解らないよ。所詮、僕たちの知識はこの子が学んでることに少し足したぐらいの事だよ。」
「そうだねーーー。混ざった時にあなた達の事を色々学んだけどその程度だよねーーー。」
「だって、本来精霊と人は全然違う存在だからね。」
「そうそう。今回が異常なんだよーーー?私たちは本来相容れない存在だからねーーー。」
精霊達の答えにリリカは腕を組んで考えだす。
精霊は精霊でクライスの前をプカプカ浮きながら漂うばかりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます