第10話 後片付け
彼らがわいわいと立ち去っていく様子が彼女には伝わっていた。若いということは良いことだ。あの子も、これを機に一回り大きく成長するかもしれない。
だがそんな微笑ましい感傷もここまでだ。彼女は今から、戦いに赴かねばならないのだから。
と、彼女と色合いは違うが同様のメイド服を着ている者たちが、息も絶え絶えの状態となっていた。ある者は涙目になり、またある者はげっそりと頬がこけている。
「大婦長……」
「後は、わたくしが、引き受けます」
そこには多くの者たちが待ち受け、誰しもが怒りを露わにしている。フェルゥレは覚悟を決めた。
そして人々が一斉に彼女へと襲い掛かる。
「あんたねえ!これは一体どういうこと!?」
「た、大変、申し訳、ございません。わたくしが、至らぬ、ばかりに……」
主に建物を壊された住民たちが、彼女に向かって苦情の嵐を投げかけた。
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