構成図

第2話 込み上げる魂

 ある朝、洗面所で鏡をみる。


「ハァ、ダメだ。情けねぇ」


 こんな顔、妹に見せられない。変えなければと心を奮わせた。

 オレはすぐさまペンを握り、脳内に写し出される構図を培ってきた経験から巧みに捌き、書き写していく。まるで何者かが乗り移ったかのようにペンの走る音。

 すると、ぴたっと手を止める。壁時計に目をやると深夜2時を回っていた。


「ウソだろ、もうこんな時間になってる」


 入り交じる思いを乗せ、図面を書き上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る