第14話 忌点(きてん)
大通り。
一寸、二寸とあと少し。振りかえる道は、もう見えぬ闇の中。ならば忘れてしまえと前を見るが、大通りに点滅する灯りはひどく乾いている。それが地べたに映りもするし、足下膝元を照らし始め、
しかし踏めない点もあるようだ。決して足跡を付けられない地点、過ぎない時点。あの雨点は
もう少し歩いたら、遠ざかっただろうか。
もう少し生きていたら、あと少し長生き出来るだろうに、あと少し生きていたら、もう少し長生き出来ただろうにと、
もう少し歩いていたら、あと少し残っただろうに。
寿命が五千円を切った。要らない服は切った。ゴミを出し切った。翌日消えていた。
日々の
他ほかに別に子細なし。
活きながら
もろもろの智者たちの
邪魔だ。点を蹴飛ばし、大通りに入る。
(続く)
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