第12話 死走
救急車のサイレンが風を裂き、破り散らかし、まだ車音の乱雑さ、
ここはいまだ深々とした
音が風を切り割さくので、
すべての物の外に居ると同時に、自分の中にだけ在るこの道を廻り歩き迷うのは、観覧者の特権であるし、得手勝手な感想の旗を振るが、罰はすべて完走者が受けると空を見上げれば、月に見張られていることに気づく。満たされれば満たされるほど、見れば見るほど、白い
落日は終わったのだと
大通りは近づいている。そこがどんなところであろうと、何が起ころうと、何が待っていようと、大きな通りであり、路地や小道、裏道とはまた違う薄弱と暴力の歓待で、そこを歩くことに間違いはない。転んだら起きればいいのが、何れにせよ道の
(続き)
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