第10話 言絵(ことえ)
夕暮れでも路地裏の少年は見つけやすいが、少年の路地裏は永遠に気づかれないのと同様に居て、稲妻が闇に一瞬であるように
かつて雨が綺麗に見えたのは止まらず流れ落ちたから、続いて降って染みたからと、ふり返る。四つの葉、
夢は、また目覚めなければ夢にならないし、目覚めたとき覚えていなければ見たことにならない。そんな時には在りはしないから、そこには夢はない。しかし所詮、夢は起きたら幻で
恐れて泣いた夢の物語を母に語って父に聞かせるは、幼き言葉の積み木。上手に出来たら菓子も増える、魔法の
目覚めることなく見る夢こそ本当の夢か。
ならば
逝くとき何も持ってはいかない、体さえ心すら。
悦びも大罪も何もかもここに置いて逝く。夢と空だけ持って逃げるんだ。豪華な死もあるだろう。それは私の夢と空模様、如何いかん。
いやいや、避けられぬ死が、受け容れ可能な最高に尊いものなら、あの人の受難も意味を失い、悪魔も失職して、信仰も歴史も消え、何も無い平野が風に吹かれて、死者がまた迷う。バロックの音も絵も
嫌でも嘘でも死に震え、泣き叫び、否定しなければ何ひとつとして始まらなかったのだろう。皆、分かっていても、いまさら変えられない道徳喜劇、理の光、神の天秤。その根拠云々などと、やはり
弘法が筆の誤りか、六大、
(続く)
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