第4話 妖精
波に死があるとすれば何が終わるのだろう。止まるのだろう。海か、川だろうか、水たまりだろうか。
代わって言の
見える。やっと見えた。 飛び込め、飛び込め。干上がる前に跳ねなければ今度は言葉が止まってしまう。水たまりに探せ、言葉の原液を。そこに原液のままで待つ池がある。一つ二つと水たまりを踏んで歩くが、尽きせぬ、あはれ尽きぬ道、などと遊んでみると、池から次々と跳ね上がるように、お猿、蛙、ハムスター、蝶の妖精だろうか、美しい、輝く色の鏡を背負って出てきては、四方八方飛び出して
妖精の鏡が放つ紫陽花の光は、散り散りに放たれ道までも照らし始める。この道は母と歩いたことがある道だ。ただ一度歩いた道だ。母と歩いた唯一の東京がここに在る。思い出の
私もここで負けることはない。早く飛び込んで蹴散らし、取り返そうと言葉の原液の池に向ってはみるが、
逃げずに通った一本道の行き着くあの結界の
(続く)
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