メロンソーダ
「…ごめん」
あ、れ、?
私は今、何を言った?
野球部の挨拶が窓の外で微かに聞こえる。
夕日が先輩の顔を照らし続けて、ずっと何かの神様が舞い降りてきたような、神秘的な光が教室中を覆い囲んでいる。
好き、と、言ってしまった。
はっと我に帰った、私は逃げていた。
「ちょ、リナ、、!」
何で言っちゃったんだろう、何で、
私は先輩とただの先輩後輩。
電車に乗る駅が同じだけの、入学式の時間違った電車に乗ろうとした私を、こっち、と引っ張ってくれた、ただ、それだけの存在なのに。
「あーあ」
校舎から飛び出した私は、自販機の横のよくわからないゴミ箱の横に座り込んだ。
あー、明日から違う車両に乗らないと、
ほんとに私は馬鹿だ、
ごめんという言葉が耳から離れない。
「…帰ろ」
この時の私は本当の先輩を、そして先輩が私を振った理由を、一欠片も知らなかったんだ。
なぜは私はどうでもいい恋をするのだろうか。 するめ @surumeei
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