連国征治郎の経歴

連国征治郎はいう———————


あれは、1996年だったな。俺が大学で法律を学んでいた最後の年のことさ。世の中は、猫も杓子も国外に飛べという風潮でね。俺は司法試験を受けようか、米国の法律事務所にエントリーしようか迷っていた。


あいつらが何の真似をしたのか。

俺は担がれたのさ。


目隠しをされプライベートジェットに乗せられた。

気づけば俺はチベットの平野にいた。

与えられたものは、食糧、馬、それにVHS。

あいつらは、俺を一人残して飛び立った。


不自然に親切な人を頼りに、最後に行き着いたのは英国。

ぼろぼろになって日本に帰り着けば『仲間』は国外に高飛びした後。


看病が必要だった妹がいた。

亡くなっていた。


夢であれと願ったよ。


それで再開したあいつはこういった。


「暗い話ダメ。イッツ俺のドリーム!オールOK!」


そこで俺はね——————————————————

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る