ミグのこと -「美の女神と吸血鬼」傍聞 -


ミグは、男を盗んだと言われ、一人になった。

去るとき、「大切なものは自分で守れ。」と言ったけれど、返事はなかった。


そのうち一人でいることが好きになった。


ミグに罪のないことは本当だったし、ミグは思いを曲げなかった。

だから負けなかった。


そして、天に召された。


   ・   ・   ・


転生を管理する部屋で、女神は言った。

「あー、そっかそっか。大変だったね。転生先は決まってるから。」

「どこですか?」


正装をした案内係は、静かに通る声で答えた。

神の街エデンはこちらでございます。」


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