My Guitar History #6(1994-2001)

僕のギターヒストリー、第6話です。


ジャズボーカルスクールで4年半あまり学んだ僕でしたが、スクールの発表会しかライブの場がないこと(自分ではジャズの演奏が出来ずプロのミュージシャンにバックをお願いするしかないので、自主的な公演はそもそも無理なのです)、そしてそもそも男性ジャズボーカルのマーケットというものがまったく無い(誰も求めていない)ことに気づいてしまい、限界を感じて93年の末にスクールを辞めることにしました。


先生について学ぶことで、英語の発音の重要性など、それなりに得たものはありましたけどね。


そこそこ歌の上手い人でも、英語の発音が良くないとジャズソングは台無しになります。これはブルースなど他の英語曲についても同様です。


そのことは、僕は今も英語曲を歌うにあたって、一番心がけるようにしています。



スクールを辞めてからの僕は、しばらくはリスニング・オンリーになりました。


ジャンルはなんでも聴きました。流行りのJポップ、Jロックをはじめ、海外のロック、ブルース、ソウル、ジャズ、そしてフュージョン。


当時僕は結婚していたので、相方と一緒に日本のバンドのコンサートにも行ったりしていました。


そのリスナー趣味と、当時インターネットユーザーの一部では流行っていた個人ホームページ作成という趣味がつながって、僕は「NEST OF BLUESMANIA(ぶるうすまにあの巣)」というホームページを2000年の秋から始めました(現在も細々と継続中です)。


このホームページで、僕は自分の好みの音楽(おもに黒人ブルースと英米ロック)のレビュー記事を書いていたのですが、それを愛読してくれた同好の人たちとオフ会(オンラインだけでなく実際に顔を合わせてのミーティング)を開き、大いに盛り上がったことで、急に新しい世界が広がりました。


そのメンツで、なんとセッションバンドをやろうという話になったのです。


現在では一緒に活動していませんが、ギターのS村さん、ベースのS藤さんと彼が呼んでくれた旧友のNさん(ギター)とKさん(ドラムス)という布陣でスタジオセッションを実施したのですが、これがとてもいい出来でした。


僕はともかく、他のメンバーはみな実に上手いのです。

まるでオールマンズかデレク・アンド・ドミノスがそこに再現されたかのようなサウンドでした(ちょっと盛ってますが)。


これまでのバンド活動での「満たされない感」が一気に解消されるような感覚。


「あぁ、バンドってのはメンバーの粒が揃えば、こんなにいい音になるんだ」と初めて実感しました。


こう言ってはこれまでのバンド(大学やジャズ)のメンバーたちにはまことに申し訳ないのですが、明らかな「格の差」を感じてしまったのです。


身も蓋もない言い方ですが、いいバンドを作るには、自分が上達するよう努力すること、そして上手い人たちと一緒に組むこと、それしかないということですね。


これまで高価なギターは一切使わずにいた僕ですが、セッションバンドを本格的にレギュラーバンドとしてスタートさせるにあたって、ワンランク上のギターを買うことで自分に気合いを入れることにしました。


それがレスポールスタンダード・ダブルカットプラスです。

2001年12月購入、銀座の山野楽器で14万円ほどでした。


ついに憧れの本物、ギブソンをゲット。

もう後には引けない、そう覚悟を決めた僕なのでした。


その一方で、久しぶりにアコギも一本入手しました。

前出のS村さんとバンド内ユニットとしてアコースティック・デュオを組むために、神保町の三慶さんけい商店で購入しました。


黒澤楽器店のアコギ・ブランド、スタッフォードのパーラーギター(4分の3スケール)です。


現在は手放してしまいましたが、これを携えて、埼玉県熊谷くまがやや横浜などでアコースティックライブをやったものです。


こんな感じで2001年は、バンド熱に呼応するようにして、ギター熱が一気に燃え上った1年でした。

(続く)

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