第2話

 また、あした。そう、言った。


 その顔だけで、わかってしまった。


 でも、彼女が何も言わないのなら、きっと、探ってはいけないんだろう。俺も笑って、またねって言った。


 ばかだ。俺は、ばかだ。あのとき、なんでもいいから、訊くべきだった。せめて、電話番号とか住所とか。


 電話。彼女は、携帯電話持ってなかった。目があまり良くなくて、テレビとかゲームの画面もあまり見れないと言ってた。


 自分は普通の人間だったけど、彼女は、きっと、俺よりも、もっとすごい人なんだろう。テレビやゲームをしないとかではなく、一緒にいた雰囲気で、なんとなく、そう思った。


 彼女は、絵を描くのが好きだといっていた。でも、彼女の絵は、見たことがない。


 俺が何か書くのを、ほほえみながら、となりで見てた。できあがったものを読んで、また笑ってた。


 きっと、明日からは、彼女のいない日々。


 書けるだろうか。


 俺に。


 彼女のいない、明日が。

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