第410話 一回目
ふふふ! 果たして今の私の一閃を見切れたヤツはこの場にいるかな?
まぁ、クソ女神なら反応はできないまでも、何とか目で追えたかも知れないけど。
「っ──! ノアっ!!」
っと、そう喚くなアバズレ聖女。
お前の大好きなクズ勇者ならすぐに送り届けてやる!
「ぐっ、うぅ……」
おぉ、怖いっ! たかが片腕を斬り落としただけなのにクズ勇者に睨まれちゃった!!
「ふん」
しかし、勇者のくせに片腕を斬り落とされた程度で膝を着くなよなぁ。
私なんてお前が指示した拷問で何回腕を斬り落とされたか……片腕を失っても歯を食いしばって体術で反撃くらいして欲しいわっ!
「がぁっ!?」
生意気にも私を睨みつけてくるクズ勇者の顎を蹴り上げて……
「がはっ──」
浮き上がってガラ空きになったクズ勇者のお腹に回し蹴りを叩き込んで、後方で目を見開いて喚くアバズレ聖女の元へと蹴り飛ばす!!
「きゃっ!?」
あらら、受け止めきれずに一緒なって吹っ飛んじゃった。
まぁ、
うんうん、アバズレ聖女が結界を展開できないのも仕方ない。
「オラッ!!」
「むっ」
ドゴォオ──!!
身体を捻って躱した大剣が地面を砕いて爆発のような轟音が鳴り響き、土煙が舞い上がる。
「むぅ」
確かに結界を展開してるから汚れはしないし、魔素感知で周囲の状況はわかるけど……鬱陶しいな。
この土煙を舞い上げた元凶の動きに合わせて……
「うぉっ!?」
土煙と一緒に翼で土煙を舞い上げた元凶たるガスターを吹っ飛ばし……
キィッンッ──!
右側面から水平に振り抜かれた剣を魔刀で受け止める。
「舞えっ! 剣舞っ!!」
聖剣ワルキューレを受け止められたフェリシアが特に驚くことも無く、流れるような動作で弾かれた聖剣ワルキューレを身体を回転させながら逆の手に持ち替えて剣を振るうと同時に無数の剣が宙を舞う。
「ふふ」
自身の魔力で創り出した無数の魔剣と共に戦場を舞う姫騎士フェリシア、か……良いねぇ! なかなかやるじゃん!!
「けど」
「うそっ!?」
カラン……
舞う無数の剣の全てが一瞬で真っ二つになって地面に落ちる。
ふふん! 私にかかれば一瞬で全て剣を刀身の真ん中から叩き斬る事なんて容易いのだよ!!
「ぇっ?」
「ほっ」
「うわっ!?」
驚愕に目を見開くフェリシアの隣に切迫して、私の姿を見失って困惑するフェリシアの首根っこの襟を掴んでそのまま放り投げ……
「ほんと、どうなってるのよ?」
眼前に迫った、視界を埋め尽くす熱線が私を避けるように真ん中から左右に割れて熱線を放ったマリアナが苦笑いを浮かべる。
まぁ、熱線を真っ二つに斬り裂いただけだけど、驚いてくれたようで何より!
コンッ!
「ん?」
突如として足元が白く染まったけど……クリスの仕業か。
アバズレ聖女に回復してもらったみたいだけど、とりあえずもう一回手足を斬り落として……
「封魔ノ神鎖っ!」
むぅ、クソ女神め! 邪魔しやがって!!
「今ですっ!!」
「ハァっ!!」
「死ねっ!」
「シッ!!」
「滅されろっ!」
クソ女神私の動きを封じて、転移で瞬時に距離を詰めた五大熾天4人が私を仕留める。
まぁ、悪くはないけど……まだぬるい。
「〝斬り刻まれろ〟」
「「「「ッ────!!」」」」
熾天使共が声にならない悲鳴をあげて、鮮血が地面に降り注ぐ!
「ふふっ、これで一回目」
魔刀を軽く横に薙ぐと同時に……熾天使4人の首が地面に落ちた。
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