第405話 捕まった
「む」
これは……
「ふふ」
クソ女神が不敵に笑うと同時に、クソ女神を中心とした半径数百メートルの地面が白く光り輝き……
────ッ!!
白い光の柱が天を貫く!
「ふむ」
危ない危ない。
咄嗟に翼に包まって防いだけど、せっかくクソ女神の頭を踏み潰してやろうと思ってたのに吹っ飛ばされちゃったじゃん!
しかも、この光。
これなら七魔公の
まぁ、仮にも神能を有する神なわけだし? このくらいはやってくれないと面白くない!
「ふふっ」
まっ! それでも私には通用しないんだけど!!
「っ! 流石ですね。
まさか今ので無傷とは」
とか言いつつ、さっきまでとは違って結構余裕がある癖に。
クソ女神の癖に生意気な!
「ふん」
しかし……
「流石は神域」
しかもアレだけの規模で放つとは。
まぁ、神域は展開した者によるその者のための小世界なわけだし。
この空間ではありとあらゆる事象が神域の主人であるクソ女神の自由自在だからな。
しかも! 私は開戦時に
私みたいに外部から神能で無理やり破壊でもされない限り、本来神域は外部からも、内部からも破壊する事はまず不可能。
つまり! 神域は神能を持つ者じゃないと破壊することも脱出する事すら不可能な絶対領域。
当然、神能を持つ私なら余裕でこの空間を崩壊させる事はできるけど……
「滅悪の慈光」
地面から光の柱が出現する。
回避すると回避した先で、また続々と際限なく光の柱が立ち上る。
「ふむ」
ま、こうなるよな。
私は神域の中にいるんだから、クソ女神が私の相手をして神域を破壊されないようにすれば良いってわけだ。
「けど」
圧倒的優位な神域にいるんだからクソ女神が余裕ぶってるのもわかるけど。
そもそもクソ女神共は勘違いしてる。
それに気付かない限り私を滅ぼす事なんて不可能なのだよ!!
「
「っ!」
────ッ!!!
音すら掻き消す豪雷がクソ女神が瞬時に展開した無数の多重結界を一瞬で貫く!
「ようこそ」
多重結界で時間を稼いで転移で雷霆を回避して来たクソ女神を……
「ぶっ!?」
殴り飛ばす!!
確かに神域は主人のために存在する小世界。
神域の主人の絶対優位空間だけど……その神域すら破壊できる神能を有する私にこの程度で勝てるとでも?
「はぁっ!!」
「無駄」
ギィッンっ!
「っ!!」
背後に切迫したクソ勇者の神剣が私の常時展開している結界に阻まれて耳障りな音が鳴り響く。
うん、背後から奇襲をかけるのなら黙ってやらないと意味がないんだけど……
「ハァァァっ!!!」
バカなのかな?
それ以前に、どれだけ力と魔力を込めてもお前の攻撃程度じゃあ私に届きすらしな……
ピシッ!
「!」
私の結界に罅が!
「神剣ワールド・神速一閃!!」
私の結界がクズ勇者の攻撃に耐えきれずに砕け散る。
いきなりクズ勇者の力が跳ね上がった? こんな事ができるのは……
「今です! 勇者ノアール!!」
クソ女神がっ!!
「ハァァァっ! 神千ノ太刀っ!!」
クズ勇者の一閃が無数の斬撃となって迫り来る……が! 戦闘中は常時展開してる結界を破壊した程度で調子に乗るな!
「なっ!?」
迫り来る無数の斬撃を躱して、受け流し、回避しながらも瞬時にクズ勇者の懐に潜り込んで……
「がっ!?」
目を見開くクズ勇者の顎を蹴り上げ、顔が跳ね上がって伸び切ったお腹に回し蹴りを叩き込んで吹き飛ばす!
「ふふん!」
バカめっ!
結界さえ突破できれば、この私と渡り合えると? ましてや殺れるとでも思ったか!?
残念なから私は魔法戦のみならず、ファルニクスとの特訓で接近戦も超一流なのだよ!!
「いいえ!」
「ん?」
「これで十分です……封魔ノ神鎖」
背後からクソ女神の声が聞こえた瞬間。
何処からともなく現れた無数の白い鎖が全身に巻きつき……
「やっと捕らえましたよ」
私の事を拘束した。
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