第404話 神域展開
「お前達こそ……罪を贖え」
「っ、ァァァァアッ!!」
ふふっ! 本当はこのまま頭を踏み潰してやりたいところだけど……クソ女神の血で足が汚れるのは嫌だし。
重力魔法で全身を押し潰してやる!
「けど」
「……?」
クズ勇者ノアール、いきなり魔力を昂らせてどうした?
「魔神レフィー、お前は……貴女は私が止めて見せる!!」
止めて見せる?
「ふふ……」
「これ以上……私が貴女の手を汚させはしない!」
何いってんのコイツ?
まぁクズ勇者の顔を見ればコイツの魂を覗くまでもなく大体わかるけど。
さっきまでは青い顔で俯いたた癖に、またトチ狂った事を。
どうせ、私の記憶を見て自分のやらかした事に気がついて、自身の罪を自覚はしたけど。
それでも! たとえ愚かな自分達のせいでこんな事になったとしても、これ以上人を傷つける魔神レフィーを野放しにするわけにはいかない!! とか、思ってるんだろうけど……
「あはっはっはっはっ!!」
面白い。
「良いだろう」
気が変わったわ。
クソ女神は後回しにして、今度はクズ勇者共の相手をしてやる。
「私を、止められるのなら、止めてみろ」
アバズレ聖女は座り込んで嗚咽してて。
クリスも立とうとはしてるけど、立ち上がれずに膝を地面についてる状態。
ガスター、マリアナ、フェリシアの3人を除いて、立ってられてるのはクズ勇者1人だけ。
まぁ、まだ結構な頭痛が襲ってるハズだし。
コイツらはその他大勢の人間共とは違って私の記憶を見ただけじゃなくて、私の過去を追体験させてやったからな。
所々端折って、短時間に凝縮したとはいえ私の過去を追体験して狂って無い事は褒めてやるけど。
ふふふ、さぁどう嬲ってやろうかな〜?
「っ!!」
「ひっ……!」
「くっ……」
おっと、私とした事がちょっとだけ殺気が漏れ出ちゃったわ。
しっかし、ちょっと殺気を向けて、クズ勇者達の方に一歩踏み出しただけで息を呑んでビクついちゃって!!
救世の六英雄が聞いて呆れる!
「う〜ん」
決めた。
私はクズ勇者共の拷問で四肢を切断されたりしたんだし、私もクズ勇者共が泣き叫んで許しを乞うまで腕を! 足を! 四肢を!
その身体を何回も何回も何回も切り刻んでやる!!
「わ、私は」
ん?
「私は神として! この世界の主神として、世界を救ってくれた聖女リナに報いたかった……ただ、それだけなのです。
貴女には申し訳なかったと思いますが……これだけは信じて下さい! 決して……決して! 貴女を傷付けるつもりなどながっ!?」
「……」
はぁ、ちょっと離れるとすぐこれだ。
せっかくクズ勇者共と遊んでやろうと思ったのに、不愉快すぎてまたクソ女神の頭を踏み付けちゃったじゃん。
本当に忌々しいヤツだわ。
このクソ女神が……何が申し訳なかったと思うだ、何が傷付けるつもりはなかっただ。
「それを、お前が言うな」
「ぅぁっ……!」
「もう一度言う、何故アバズレ聖女のために、私が犠牲にならなければならない?」
この世界の主神として、世界を救った聖女リナに報いたかった?
違う。
「お前は醜い権力者の老害共と同じ。
自分で責任を負いたく無いから、私を生贄にしただけ」
「ちがっ! 私は本当に……」
本当! 喋る事全部が一々癇に触る!
特に何故か周囲に理解してもらえない悲劇のヒロインぶってるところが死ぬほどムカつく。
コイツはどれだけ私の神経を逆撫ですれば気が済むんだ?
そもそも、邪神曰くアバズレ聖女は異世界モノのテンプレよろしく、事故死した直後にこっちの世界に転生する形で召喚された。
それなのに親しい者達と無理やり引き離された? ふざけんなっ!
本当はコイツにはまだやってもらう役割があったけど。
別にコイツがいなくてもどうにかなるだろうし、もう本当にこのままここで頭を踏み潰して、魂ごと消滅させてやろうかな?
うん! そうしようっ!
ギィッン!!
「っ!!」
たかが剣を刀で受け止められた程度で何を驚いてんの?
クソ女神もさっき何も持って無かったのに魔素で剣を作り出してたのに、同じ事がこの私にできないとでも思った?
「ハァァァッ!!」
無駄な連撃をしてくるのは良いけど、近くで叫ばないでほしい。
「煩い」
「がはっ!?」
軽く蹴っただけで吹っ飛ばされるような雑魚勇者が。
雑魚は黙って蹂躙されるのを待ちながら見てろ。
「ノアール……そう、ですね」
む?
「彼の言う通りです。
これ以上貴女のその手を汚させないためにも、私達が貴女を止めて見せましょう。
神域展開っ!!」
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