第387話 進化! その6
「なるほど……」
世界を管理するシステム。
スキルも統括しているシステムの恩恵から外れた結果、保有しているスキルが変質して神能になると。
『まっ、簡単に言ってしまえば色んなスキルを詰め込んだユニークスキルの上位互換みたいなモノだよ』
「ふむ」
まぁ、確かにそうだな!
神能が何かについては粗方わかったし、細かい事は気にせずにユニークスキルの上位互換だと思っとけば良いか!
「邪神様……そんな軽く言わないで下さい。
神能は数多く存在する神々の中でも強者のみが保有する力なんですよ?」
つまり! そんな凄い力を手に入れる私はやっぱり凄いって事だな!!
ふふん! 流石は私っ!!
「ファルニクスと、邪神は持ってるの?」
『ふふふ、当然じゃないか。
何たって私は神々が住う神々の世界である神界の重鎮にして、数多く存在する神々の中でも最高位の神の一柱だからね』
「序列上位に名を連ねる邪神様は勿論、私も神能を有していますよ」
まぁ、そうだろうとは思ったけど。
「序列?」
「そう言えば、神界の事を詳しく説明した事は無かったですね。
数多く、それこそ数え切れない程に存在する神々の中でも特に大きな力を持つ上位5万の神には実力によって序列が与えられます」
へぇ〜、初耳だわ。
と言うか、神ってそんなにいっぱいいるのか。
「序列一桁がシングル、二桁がダブル、三桁がトリプル、四桁がフォース、五桁がフィフスと呼ばれ、序列持ちの神々を総称してナンバーズと呼びます。
そして邪神様は……」
『まぁ、そんな事より! 悪魔ちゃん、早くステータスを確認した方がいいよ』
「ステータス?」
天声のお陰でどんな神能を獲得したのかはわかってるし。
能力の検証をするならまだしも、何で今わざわざそんな事をする必要が……
『神能の獲得。
それ即ち、神としての格が上がった証! つまり、悪魔ちゃんは眠ってる間に進化してるんだよ』
「進化?」
『そう、進化。
アナスタシアの魔素を排除して回復した後にちゃんと進化の繭にも包まってたよ?』
マジか!
何か知らん間に、神化してから5年ぶりの進化をしちゃってたのか!!
『あはは、驚き過ぎでしょ』
「むっ」
「まぁまぁ」
「わっ」
「そう怒らずに」
むぅ、ファルニクスめ。
いきなり抱き上げて膝は座らせるのはビックリするからやめて欲しい。
ただまぁ、頭を撫でるのは許してやろう!
『悪魔ちゃんがチョロ過ぎで私は心配だよ』
チョロい? 何の話をしてるの?
それよりも邪神! 知らない内に進化してたんだから私が驚くの当然なのだよ!!
『知らない内って、進化の兆しはあったでしょ?』
進化の兆し?
何それ? そんなの無かったんですけど。
『……悪魔ちゃん、キミまた
失敬な!
変な言い掛かりはやめて……
『ここ最近、悪魔ちゃんの身に起こっていた魔素の乱れ。
アレは今回の神能獲得とそれに伴う進化の兆し』
なん、だと……
『神化の時と同じだよ。
悪魔ちゃんの場合は急速に魔素が増大し過ぎて魔素の制御が乱れてたってわけ。
私にファルニクス、シルヴィア達からも再三説明したよね?』
「……」
そう言えば、ゴロゴロ自堕落に寛いでる時に何かそんな事を話してた気が……しないでもない。
『全く……悪魔ちゃん、人の話はしっかりと聞こうね?』
「むっ」
確かに、確かに人の話を話半分に聞き流してた私も悪いと思う。
けど! 邪神に言われるとなんかムカつくっ!!
「ムッとしているレフィーも可愛いですが、今はステータスを確認する方が優先です。
ほら、シルヴィア達も気になっているようですよ?」
「むぅ」
『本当にチョロい』
まっ! シルヴィア達が気になってるって言うのなら仕方ない。
「ステータス」
ここはビシッと、私の種族を見せつけて……
「っ!!」
名前:レフィー
種族:幼魔神
称号:「原初の悪魔」「神の敵対者」「ダンジョンマスター」「大罪の支配者」「大魔王」「悪魔の神」「超越者」
眷属:シルヴィア、ミーシャ、ミリアーナ、グラン、リリィー・カーディナル、セラフィル、アリシア
DP:────
・神能
「付与ノ神」「創滅ノ神」「大罪ノ王」「魔導ノ王」
スキルの類が全部消滅してスッキリ、見やすいステータスになった事は予測してたしまだ良い。
けど! けど……
「幼魔神、だと……」
種族名に幼って明記されたんですけどっ!?
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