第20章 聖魔大戦編

第341話 さぁ、無様に踊れ!

『早急に軍をっ!』


『冒険者ギルドはの要請はどうなったっ!?』


『軍の編成はどうするっ!?』


『兵糧の問題は!』


『商業ギルドからの返事はまだかっ!!』



 にゃはっ! 随分と白熱してるね〜!!

 私がアレス公国を滅ぼして大戦の幕開けを告げた1週間前から、ずっと霊峰ルミエルで会議をしてる事は知ってたけど。


 やっぱ、各国の王達が集ってるって言っても、たった1週間じゃあ軍備を整えるのは無理だったか。

 まぁ、殆ど全ての人類国家からなる連合軍だからな。


 いかに切羽詰まった状況でも、愚かな人間共が各国間の利害を超えてたったの1週間で軍備を整えるのは不可能なのはわかりきってた事だけど。


「ふふっ」


 これぞまさに! 会議は踊る、されど進まずって言葉がピッタリな状況だな!


「ったく、相変わらずとんでもねぇな」


「こうも簡単に会議を見られていると知ったら、あの者達も堪ったものでは無いでしょうね」


 ふふん! ガルドもクリスティアも、もっともっと! 褒めるが良いっ!!

 最近じゃあアランもエレナも、グランツェ公すらもこの程度じゃあビックリしてくれ無くなったけど……


 数キロどころか数百キロも放たれた場所を。

 それも仮にも人類最強クラスの実力者が張り巡らせた対物理、対魔法の結界を無視してリアルタイム映像を観てるんだからガルドとクリスティアの反応が普通なのだ!


「ガルド様、クリスティア様。

 この程度で驚いていてはこの先、身体が持ちませんよ」


 ほら、このエレナの慣れてるっぷり。

 まぁエレナは何回も悪魔王国ナイトメアに来てるし。

 魔国の技術水準やら、魔国の住民の規格外ぶりを知ってるから仕方ないけど。


 アランとグランツェ公も苦笑いを浮かべてるだけで特に驚いた様子も感心してる様子も無い。

 全く反応に乏しいヤツらめ!


『その2人も悪魔ちゃんにだけは言われたく無いだろうね』


 むっ、失礼な。

 またお仕置きしてやろうか?


『いや、流石に回路を辿って滅光魔法をぶっ放すのは止めようか』


 ふんっ、何をいけしゃあしゃあと。

 あんなの例え直撃しようともお前には大したダメージ無いくせに。


『いやまぁ、そうなんだけどね。

 私にダメージが無くても、周囲も滅茶苦茶になったからね。

 ちょっとは周囲への被害も考えようか』


 じゃ、邪神のくせに、まともな事を言ってる……だとっ!?


『……悪魔ちゃんは私の事を何だと』


 まっ! そんな事はどうでも良い。

 だって私は悪魔だし! 周囲への被害を抑えられない邪神が悪い。

 けどまぁ、そろそろだろうし……今回はお仕置きは止めておいてやる! 感謝しろっ!


「来た」


 さぁ! 愚かな人間共よ。

 ふふふっ、無様に踊るが良い……



『し、失礼しますっ!

 たった今、冒険者ギルドより通達がっ!!』


『何だ! 今は重要な会議の……』


『構わない』


『ノアール殿……』


『それで、冒険者ギルドからの通達は何かな?』


『は、はっ!

 数刻前、三カ国連合が一国であった旧フラン帝国が皇都の港に続々と巨大な戦艦を確認。

 魔神レフィーが姿を表したとの事です!!』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る