第321話 蹂躙の始まり
「ふむ」
熾天使、ねぇ。
あ〜あ、またまた歓声を上げちゃって。
まぁ、人間共の気持ちも分からなくはないけど。
天使共はクソ女神の尖兵。
人間共を守って、七魔公を倒すために姿を表した
それに加えて、白の騎士団!!
「うんうん」
何せ! あの白の騎士団は旧魔王との大戦時、クズ勇者のパーティー以外では唯一旧魔王郡の最高幹部だった四天王の1人を撃ち倒した事で有名だもん!!
愚かな人間共が助かった。
天使と白の騎士団を始めとする冒険者や騎士が、七魔公を始めとする悪魔を倒してくれるって思っても無理は無い。
だって! 天使共は兎も角、白の騎士団だしっ!!
『テンション高いね』
当然じゃん!
目の前にあの! 白の騎士団がいるんだぞっ!?
テンションが上がらないわけがないっ!!
今のうちに武名を轟かせる白の騎士団の勇姿をしっかりと見ておかないと!
あっ! 写真も撮っとこっ! それとも動画の方がいいかな? ぐふふっ、まぁ両方撮ればいいか!!
『悪魔ちゃん、落ち着いて!』
はっ! ま、まぁそんなわけで人間共は淡い希望を抱いてるわけだけど……
「ふふっ」
まぁ、私達がアレス公国を攻めるって事を予期してた事は褒めてやる。
けど……
「うふふ、いきなり攻撃だなんて不躾な羽虫ですね」
「「「「っ!!」」」」
あはっ! 結果は何も変わらない!!
熾天使だろうが、いかに白の騎士団が強かろうが……お前ら程度が集まったところで七魔公には届かないっ!
「これは驚きました……まさか、魔を滅する光の聖槍を受けて無傷とは……」
「あら、アレはお前の仕業でしたか」
「ふっ、流石と言うべきでしょうか。
アナスタシア様が警戒なされる悪しき卑劣な魔神の配下なだけはあがっ!?」
「「「っ!」」」
何やらノワールを見下すように見ながら、鼻で笑った長髪の男の熾天使が呻き声をこぼして、他の熾天使共が驚愕に目を見開く。
ふふふっ、さぁ! 愚かな人間共! そしてクソ女神の尖兵たる
大悪魔の力を……悪魔公たる七魔公の力を刮目せよ!
「今、なんと?」
「ぐっ、がぁ……!」
目の前で仲間がノワールに首を絞められてるのに、ノワールの放つ魔素を受けて一歩も動けないとか……そんなんで良く、ノワール達を打ち破るなんて大言壮語を言えたな。
期待ハズレも良いところだわ。
「我らが神を、尊きレフィー様を……悪しき卑劣な存在だと言いましたか?」
「ごぁっ……は、はなせ……」
「流石は女神の尖兵たる羽虫共ですね。
主人に似て愚かで下賤で無礼……レフィー様への侮辱。
本来ならばこのまま首をへし折って差し上げるところですか……」
「がぁっ!?」
ノワールの抜手が天使の胸を貫き……
「ふふふ、お前は簡単には死なせません。
輪廻の呪縛」
熾天使の上半身が弾け飛んだ。
「へっ、きたねぇ花火だ」
『うん、絶対に言うと思ったよ』
しっかし、あの天使も可哀想に。
七魔公の中でも見た目に反して特に苛烈なノワールに目をつけられるとは……まぁ自業自得だけど、ちょっと同情するわ。
「ヨハンっ!!」
「っ……!」
「まさか、これ程とは……!」
へぇ、たった今ノワールに上半身を吹き飛ばされた長髪の天使はヨハンって言うんだ。
まぁなんだ……ヨハンくん、強く生きろよ!
っとまぁ、それはさておき……
「ノワール」
「っ!!」
「皆んなも、ちょっと良い?」
「「「「「「「はっ!!」」」」」」」
おぉう、ちょっと念話で話しかけただけだし、別に跪かなくても良いんだけど……まぁ良いや。
「皆んなもわかってると思うけど。
熾天使の中に、未来予知の力を持つヤツがいる。
そいつは生捕にして」
「「「「「「「かしこまりました」」」」」」」
これでよしっと!
未来予知、精度は完璧じゃないとは言え……ふふっ、欲しくなったし、せっかく目の前にいるんだから遠慮なく貰っておかないと!!
『ノワールもだけど、悪魔ちゃんも大概だよね』
ふふん! 私は強欲の悪魔なのだ、なんとでも言うが良い!!
「皆、このゴミ共は私が貰いますが構いませんね?」
「それって、もし仮にダメだって言ったら……」
「ふふふ」
「いや、何でもないです!
勿論、ノワール様のお好きにして構いませんっ!!」
アスもわかりきってる事なんだから一々口にしなくて良いのに。
まぁ、それでこそアスだけど。
「では皆は他の都市をお願いします。
私は少しこのゴミ共と遊んで差し上げますので」
「わかりました!」
「程々になさってくださいね」
「了解です〜」
「我も熾天使とやらと手合わせしてみたかったが……致し方ないか」
「かしこまりましたっ!」
「ではノワール、この場は任せましたよ。
これよりレフィー様の命に従い、アレス公国の蹂躙を開始する。
さぁ、行きましょうか」
サタンの言葉に皆が頷いてノワール以外の七魔公の姿が掻き消える。
さて、どこまで持つかな?
ふふふっ、せいぜい必死になって抗って私を楽しませろ。
「うふふ、ではこちらも楽しい
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