第317話 その目に焼き付けろ
「ふふふ」
魔導衛星を使って構築してる空間魔法を用いた監視魔法網からアレス公国のリアルタイム映像をクズ勇者共の前に映写してっと!
さぁ! そこで何もできずに、ただただ観ている事しかできない自分の力の無さを嘆くが良い!!
『っ! どうすればっ……』
『くっ……この結界を破壊するしかないみたいだね』
まぁ、アレス公国に向かいたいなら私の隔離結界を破るしか無いな。
尤も! レオンとショウが破壊した魔国の国土結界とはわけが違う、お前らの実力じゃあ私の結界を破る事なんて不可能!!
それにだ。
もし仮に万が一、億が兆が! 虚数の彼方程の奇跡で私の結界を破る事ができて、アレス公国に転移できたとしても……
「ふふっ、無駄」
ハッキリ言って、お前ら程度が居たところで結果は何も変わらない!!
お前らを隔離してるのは、お前らの介入を警戒しての事じゃない。
お前らをこうして隔離したのは、アレス公国が滅び行く様を何もできずに観ていることしかできないって言う無力感を……絶望を味あわせるためなのだっ!!
ふふふっ、せいぜい無駄な足掻きをするが良い。
『魔神レフィー。
貴様は本気でアレス公国を滅ぼす事ができると思っているのですか?』
ん? そんなの当然じゃん。
てか、思ってるとか、そんな話じゃ無いんだよね〜。
はぁ、やれやれ、メガネ天使君はわかってないなぁ。
「思ってるじゃ無い。
これはただの決定事項」
『ふっ、まさかそこまで愚かだとは思いませんでした。
貴様は何もわかっていない』
んだとコラ。
愚かなのも、何もわかってないのもお前だ! インテリメガネが!!
なんかアレだわ。
終焉の大地を統一する時に〝死〟の概念付与実験で始末した、私の事を幼女とかナメた事を言ってくれたヤツの事を思い出したわ。
『つまり?』
血祭りにしてやりたいくらいにイラッとした。
ふぅ〜、いやいや落ち着け。
この程度の事で一々キレる程私は子供じゃ無い。
ここは優雅で可憐でカッコよくて美しい魔王様として大人の対応をしてやろうじゃん!
ふふっ! 間抜けで滑稽なクソ勇者共の姿を見て私の機嫌が良かって命拾いしたなメガネ天使君!
『確かに我々は貴様の卑劣な策略によってこの場所に封じ込められました』
卑劣な策略?
何言ってんのコイツ。
お前らが勝手に集まって会議をしたから閉じ込めたに過ぎないんですけど。
『我々を封じ込めた事で勝ち誇っているようですが……ふっ、浅はかと言わざるを得ませんね』
本当に一々言動が癇に障るヤツだな。
何その、クイッと中指でメガネを押し上げて鼻で笑う仕草は!
キモイんだよ! カッコつけんな、クソメガネ天使が!!
『浅はかで愚かな貴様に教えてあげましょう。
この場にいる熾天使は私のみ。
私以外の4翼の五大熾天が貴様の卑劣で悪辣な企み阻止する事でしょう』
「ふふっ」
『……何がおかしいのですか?
貴様の配下共が敗北する事を知って気が狂いでもしましたか?』
「主人が主人なら、配下も配下か」
『何だと?』
あ〜あ、自信満々に何を言い出すのかと思えばそんな事か。
ふふっ、結構笑わせてくれるじゃん! 浅はかなのはどっちだっての!!
「面白い。
愚かな人間共、そして女神の尖兵たる羽虫。
私直属の配下……悪魔界に君臨する大悪魔の力を、七魔公の力をその目に焼き付けろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます