第285話 明かされた真実
「ん、ここは……」
私は一体何を……そうだ、6年前の真実を知るために。
父上と母上が、人類が犯してしまったかもしれない大きな過ちの真実を知るためにアリーと一緒に獣魔王レオンが治める獣王国に……
「っ!」
思い出すと、ズキズキと頭が痛む。
獣魔王レオンに会って、魔神と……あの美しい白銀の髪をした少女と再会した。
そして……
「そうだ、アリーはっ!」
「ぅ……はぁ、はぁ……ぅぐっ!」
悪夢に……いや、私達が願い。
魔神に見せられているあの光景に魘されてはいるが、無事みたいだな。
「情けないな……」
ここが何処かはわからないけど、どうやら私達は気絶してしまったらしい。
それでベッドで寝かされていたわけか。
「しかし、ここは一体……」
婚約者とは言え、未婚の男女が同じベッドで寝かされている事はさておき。
このベッドもそうだが、この室内にあるどれもが私の目から見ても素晴らしい最高級の品々。
それこそ世界最大の超大国と呼ばれるアルタイル王国の王城にある私の自室と比べても遜色無い程の……
「いや、これは……」
ガチャ
「セラフィル、気分はどう?
無事に起きたようでなりより」
「貴女は……おはようございます」
「レフィー様と呼ぶといい。
あるいはレフィーお姉様でもいい」
「レ、レフィー様と呼ばせていただきます」
「むっ……まぁ良い。
アリシアもまだ寝てるし、セラフィルも顔色が良くないからもう少し寝るといい」
っ! 急に睡魔が……
「では、お言葉に甘えて、そうさせていただきます」
「ん、よく寝なさい」
私の上に手も触れずに布団を掛けて満足げに頷いたレフィー様が踵を返し……
「あっ、そうだ。
2人に何かあっても即座に対応できるように、この部屋は監視してるから。
同じベッドで寝てるからってアリーに悪戯したらダメ」
「し、しませんよっ!!」
って、もういない。
「はぁ」
しかし、まさか彼女が……レフィー様が6年前に冤罪で公開処刑された元公爵令嬢か。
これは流石に、想定、外……
***
「ふぅ〜」
「お疲れ様です。
どうぞ、ショートケーキになります」
「ん、ありがと」
執事服を完璧に着こなしたグランが用意してくれたショートケーキを頬張りながら、愛用の人をダメにするクッションに身体を沈める!
「ん〜!」
これぞ至福!
公爵令嬢だった頃はお行儀が悪いとか、テーブルマナーとかでできなかったけど。
悪魔となった今の私には関係ないっ!!
「レフィーお嬢様」
……事もないか。
今も昔も、厳しい
まぁ、それでも公爵令嬢だった時と比べればかなり自由になったけど。
「かなり落ち着いてたから、もう大丈夫だと思う。
あと30分くらいかな?」
「かしこまりました。
では、皆にもそのように通達しておきます」
「ん、お願い」
しかし、もういい加減あの2人の前でのお茶目な謎のお姉さんキャラをやるのにも疲れてきたわ。
それもこれも、ファーストコンタクトの時に前世も含めてアクムス王国を観光するのが初めてでテンションが上がったせいだけど……
「よし」
もう面倒だし。
次からは素でいこう。
「シルヴィア、レオン達は?」
「彼らでしたら訓練場でミーシャと遊んでいらっしゃいますよ」
ふ〜ん、なるほどなるほど。
私がセラフィル達の様子を見てる時に、レオン達は楽しく遊んでいたと。
この私を誘う事もなく……
「ふふ、では皆を集めてお茶会など如何ですか?」
お茶会っ!!
と言う事は……
「丁度いい時間ですし、アフタヌーンティーに致しましょう」
「ん! やる!!」
どうせセラフィルとアリシアが目を覚ますまでは暇だし。
2人と、レオン達モフモフ勢を連れて転移で悪魔王国に戻った後に私を抜きで遊んでた事は後でしっかりと問い詰めるとして。
「ふっふっふ〜ん!」
『流石はシルヴィア、もう機嫌がなおった……私は悪魔ちゃんがちょろ過ぎて少し心配になってきたよ』
邪神が何か言ってるけど、どうせしょうも無い事だし細かい事は気にしないっ!
さぁ! モフモフ天国の次はスイーツ天国! アフタヌーンティーの始まりだぁ〜っ!!
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