第251話 2人の罪人
「ッ!!」
「ねぇ、今のって……」
「あぁ……」
マリアナも感じたらしい。
今一瞬、俺達ですら戦場にいるみてぇに気を張り巡らせて無ければ気付け無い程のほんの一瞬だけ感じた莫大な力。
「間違いない。
さっきから身体の震えが止まらねぇ」
「情け無い……って言いたいけど、私もよ」
「魔王……魔神レフィー」
別に魔力……魔王レフィー風に言えば、
それだけで俺達が本能的に恐怖を覚えちまう程のバケモノ何てアイツとアイツが引き連れてるバケモノ集団くらいだ。
「くそっ」
ちょうど1週間前だ……突然、フェリシアから国を挙げて聖位闘技大会とか言う大会を開催するから来いって連絡が入った時から嫌な予感はしていたんだ……
「またかよっ!」
「もうその愚痴は聞き飽きたわ。
不毛な事を言わないで」
「マリアナ……お前だって、散々文句を言いながら酒を飲んでたじゃねぇか」
「……」
いや、まぁ考えてみれば全く不思議じゃない。
アイツの目的は俺達6人に対する復讐、あと残ってるのはフェリシアを除けばノアとリナの2人。
アイツとの婚約を一方的に破棄した上に、家族も拘束して拷問のあと処刑に処した勇者ノア。
そんでもって、あの断罪劇の主役にして冤罪でアイツを嵌めた黒幕である聖女リナ。
2人は最後にして、クリスの次はフェリシアだってのはわかる。
わかるが……本当に! マジでどうなってんだよ!?
クリスの時もだが、何で俺達の行く先行く先でアイツと出くわすんだよっ!?
「コレも、私達の罪。
あの子が私達に下した罰なのかもしれないわね」
「……はぁ、そうかもな」
何でアイツが最近冒険者の間で話題になってる、メンバー全員が登録当日にAランクに昇格したって言う新進気鋭の冒険者パーティ。
純白の翼として冒険者をしてるのかはわからねぇし。
他にも、あの時は思わず固っちまったが。
何でアイツが大会初日に壇上に立っていたのかとか、気になる事は色々あるが。
現にこうしてアイツがこの大会に参加してる事は事実。
『大変お待たせ致しました!』
フェリシアは、俺とマリアナが大会参加を断った事を不満そうにしてたが。
こうなった以上、俺達にできる事はただ一つ。
「マリアナ」
「えぇ、わかってるわ」
アイツ……魔神レフィーの復讐と言う名のお遊びに巻き込まれる一般人を可能な限り、一人でも多く助け出す。
『では、これより……聖位闘技大会、本戦4日目! 闘聖位戦を開始しますっ!!』
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