第250話 闘聖位戦、開幕!!

「ふふふ」


 遂に! 待ちに待ったこの日がやって来たっ!!

 さぁ、行こう……そして、楽しい愉しい復讐アソビの始まりだ!


『カッコ付けてるところ、水を差して悪いんだけど。

 シルヴィアに抱っこされてる状態でやられても……ねぇ?』


 煩いわ!

 せっかく当人である私がスルーしてるんだからお前もちょっとは気を使えよ!

 何至極当然に指摘してるわけ!?


 見ろ! あの何とも言えない苦笑いを浮かべながらも、下手にこっちに触れる事なくそっとしておいてくれるエレナの気遣いを!!

 全く、お前にもちょっとはエレナの気遣いを見習って欲しいもんだわ。


『それよりもさ。

 前から地味に気になってたんだけど』


 な、何だよ……


『悪魔ちゃんの身長って小さいと言っても、140はあるよね?』


 し、失礼な!!

 私の身長は140じゃなくて、146センチ!

 そこ重要だから忘れんな!!


『うん、146センチね。

 それに対してシルヴィアは170センチ台、悪魔ちゃんの事を抱っこするにはちょっと無理がある。

 抱っこしても違和感があると思うのに、凄く自然に見えるなってどうして?』


 遂にそこに気付いたか。

 まぁ、いつかは指摘されると思ってたよ?

 だって普通に考えて170台のシルヴィアが146センチの私を抱っこしてたら歪に見えるし。


 それなのに、こうして現に今私はシルヴィアに抱っこされちゃってるし。

 抱っこされたからと言って違和感は全く無い。

 それは何故か?


 その理由は単純明快!

 シルヴィアは……と言うより、何かと私を抱っこする眷属の皆んなは私を抱っこする際に、私の身長を魔法で丁度いいサイズに縮小しているのだよ!!


『えぇ……』


 まぁ、お前がそんな反応になる気持ちもわかる。

 無機物のサイズを縮小、拡大するのは簡単でも生物。

 何より魔法に対して絶対的な耐性があるこの私にそんな魔法をかける何て容易じゃ無いからな。


『いや、無機物でも普通の人間からしたら超高難易度だよ』


 だって皆んなは人間じゃ無いし。

 何より私の眷属なのだ!

 ふっふっふ〜ん! 皆んなならこの程度は普通にやってのけるのだよっ!!


『なんて能力の無駄遣い……』


 それが私達、悪魔王国ナイトメアクオリティー。

 とまぁ、そんな事はさておき……今日で聖位闘技大会も本戦4日目!


 明日の総合表彰式典を省けば聖位闘技大会も最終日なわけだけど。

 ふふ、むふふっ、ふぁはっはっはっ!!

 今日行われる闘聖位戦にはフェリシアにエレナ、そして私が出場する!


 ぶっちゃけた話。

 大会2日目、本戦初日の剣聖位戦は当初の下馬評通りなんの捻りも無くリーゼが勝利を収めた。


 2日目の拳聖位、3日目の魔聖位は凄まじい盛り上がりだったし、剣聖位戦とは違って白熱した試合でそれなりに面白くはあったけど。

 所詮はそれなり程度でどこか物足りない出来だった。


 冒険王ガスターと、大賢者マリアナの2人は、私達が参加すると結果が見えて面白くないとか言って参加してないし。

 まぁガスターはともかく、マリアナには罰として魔法を使えなくしてるしな。


 クズ勇者共にバレないように、転移魔法を含めて多少は魔法の使用を許可してるとは言え。

 当然制限はあるし、聖位戦に出ないのは当然なわけだけど。


「ふふっ」


 せいぜい惨めな思いをするが良い……っとまぁ、とにかく!

 やっと、やぁ〜っと私の出番がやって来た。


「潰してやる」


 徹底的に、圧倒的に……フェリシアの自分は強いと言うバカで愚かな勘違いを! そのプライドを観客共の目の前で踏み躙る!

 さぁ! 楽しい愉しい復讐アソビを始めよう!!


『いやだから、抱っこされた状態じゃあカッコが付かないよ』


 ……せっかく、ビシッとテイクツーをやり直したんだから黙ってろ!!

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