第246話 聖位闘技大会
準備を万端に整え。
カティラとジン、そしてリーゼを引き連れて開催式を行う闘技場の舞台へいざ行かんっ!
「では、レフィーお嬢様」
「っ!」
つ、遂にこの時が来てしまったか……
アクムス王国、中でも首都の王都フェニルなら殆どの人が私達のパーティーの事は知ってるだろうけど。
ここでは私達の事を知らない人も多い。
シルヴィアを始め女性陣は何故かメイド服を譲らないし、グランもビシッと執事服を着こなしてるし。
そんな皆んなを引き連れていれば、私は冒険者じゃ無くて何処ぞの御令嬢にしか見えないってのもあるけど。
開催式にぞろぞろとパーティー全員で参加する必要は一切ないわけだし。
私達も開催式に運営側として参加するって話になった時に、パーティーから代表者が一人参加すれば良いって提案したのが間違いだった!
『とんとん拍子で悪魔ちゃんに決まったからね』
くっ、開催式に参加するのが面倒だから提案したのに裏目に出るとは……
『まぁでも、パーティーリーダーの悪魔ちゃんが代表になるのは至極当然の成り行きだよ』
うるせぇわ!
とにかく! シルヴィア達は先に私達のパーティー用に用意された闘技場を見渡せる個室に。
私はパーティーを代表して開催式に参加する事になったわけだけど……
「シルヴィア……」
「レフィーお嬢様なら大丈夫です!
頑張って下さい! 私も皆と同じ席にてお嬢様の勇姿を見守らせていただきますので」
「ん! 頑張る」
若干涙ぐんでギュッと抱きしめてくるとは。
むふふ! シルヴィアも仕方ないなぁ〜。
『嬉しそうだね……
と言うか、何で開催式でちょっと別行動する程度でそんな今生の分かれみたいな空気を醸し出してるの?』
黙れ邪神!
水を差さないでほしいんだけど、本当にお前は気が効かないな……だからモテないんだよ!
「は、ははは……では、レフィーさん行きましょうか」
「ん」
「行ってらっしゃいませ」
「行ってくる」
まっ! どうせ開催宣言するリーゼの後ろに立ってるだけだから気楽なもんだけど!!
「しかし、この大会。
冒険者達の士気の向上にも繋がりますし、立案者と言うアクムス王には感謝しなければなりませんね」
「えぇ、騎士団の者達も意気込んでいました」
いやぁ、それ程でも〜。
私の案が素晴らしいのは当然なのだよ!
まぁ、表向きはアランが立案者って事になってるけど。
『よく言うよ。
ヴァリエ騎士王国には騎士王継承戦で使われる闘技場があってちょうど良いわ〜、とか言ってなかったっけ?』
シャラップ!
まぁ、確かにそれもヴァリエ騎士王国を舞台に選んだ理由の一つではあるけど。
どちらかと言えばコレは私の
聖位闘技大会。
魔法、剣、素手、そして何でもありの総合の4つの部門に分かれてそれぞれ予選を行って本戦に参加する者を25名まで絞る。
予選は各グループ毎の総当たり戦で、本戦は予選を勝ち残った25名にシード7名を加えた総合32人によるトーナメント形式での1対1。
相手を戦闘不能に追い込むか敗北を認めさせると勝ちだけど、仮に殺しちゃった場合は失格になる。
とまぁ、細かいルールは他にもあるけど。
それはさておき、この大会の優勝者には聖位……魔聖、剣聖、拳聖そして闘聖の称号が与えられる。
言ってしまえば、この世界において最強の一角であると言う証明になるのだ!
『そりゃあ冒険者や騎士達、参加者は盛り上がるよね』
現にリーゼも剣聖位戦に参加するらしいし。
そして……
「ふふ」
当然アイツも。
子供っぽい性格で、こう言う催しが大好きな現騎士王、姫騎士フェリシアも参加する!!
「レフィーさん? どうしましたか?」
「何でもない」
大勢の観客の前で。
救世の六英雄の姿を、その力を一目見ようとしてる人間共の目の前で……徹底的に! 圧倒的に! 一方的に! 叩き潰してやるっ!!
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