第247話 愉しいゲームを始めよう
「静粛に!」
試合会場である闘技場に臨時的に設置された舞台の上。
リーゼの綺麗な凛とした声が響き渡り、喧騒に包まれていた闘技場に静寂が舞い降りる。
そんな光景をカティラと並んでリーゼの後ろから見てるわけだけど、流石は剣聖ってところかな?
ざっと見た感じ、この場にいる人間達の中にもそれなりに強そうなのはいるけど、リーゼは頭一つ抜きん出てるし。
やっぱり、現剣聖の名は伊達じゃないか。
う〜ん、ジャイアントキリングを観たかったんだけど、コレじゃあ無理そうだなぁ〜。
『まぁ、彼女も悪魔ちゃんの目的である姫騎士フェリシアと互角に渡り合う強者。
人類最強の一角に名を連ねる1人だからね』
まっ! それでも私の敵じゃ無い!!
それにだ……強い、人類最強の一角と言っても我が愛弟子であるエレナの方が強いのだよっ!!
『はいはい、そうだね』
むっ、なんか反応が適当な気がするんだけど……まぁ、良いや。
しっかし冒険者に、鎧に身を包んだ騎士達。
中には女の人もいるけど、こうして見てみると凄い熱気だなぁ。
と言うか、今更だけど。
改めて考えてみると、こうしてシルヴィア達と離れて1人で大勢の前に出るのって何気に初めてかも。
『そう言われてみれば確かに。
ちょっと前までは
涙目になんかなって無い! 訂正しろっ!!
ったく、本当に失礼でデリカシーの無いヤツだわ。
けどまぁ、この開催式の主役は剣聖のリーゼで私は後ろで立ってるだけだし。
ふふん! 1人でも全くもって問題なし!!
「では最後に冒険者の代表として、Aランクパーティー純白の翼のレフィーさんから一言お願いします」
「……ぇ?」
は? いや、えっ?
リ、リーゼさん、今なんて言った?
私から一言、とか聞こえた気がするんですけど……
『紛れも無く、そう言ってたよ』
「ではレフィーさん、お願いします」
ちょ! マジでふざけんなよっ!?
そんなの聞いてないんですけどっ! いきなり一言お願いするとか言われても……
「っ!」
や、やめろ! そんなに注目しないでっ!!
と言うかおい! 今私の事を見てあの幼女が? とか口走ったヤツめ覚えてろよ!!
『あはは、結構余裕あるじゃん』
るっさいわ!
うぅ、どうすれば……
「おい! あれっ!!」
今度は何っ!? いや、この際なんでも良い。
寧ろ、誰かは知らないけど良くやった!
何があったのかは知らんけど、今ので私に集中してた人間共の注意が別にそれたし、この隙にどうにかして活路を見出さねば……
『悪魔ちゃん、テンパリ過ぎ。
ほら、彼らが来たよ』
来たって何が……
「おぉ〜! 人がいっぱいだね!」
「ちょっとフェリシア、あまり大声を出したら開催式の邪魔になるでしょ」
「確かに……皆んなごめんね。
気にせずに開催式を続けて!」
「いや、お前らな……俺たちがここに来た時点で既に邪魔になってるからな?」
「ふふ、それもそう……」
あっ、今完全に目があった。
でもそうか、何の騒ぎかと思ったら。
「どうかしたか? マリア、ナ……」
お前らが来たからか。
冒険王ガスターに、大賢者マリアナ、そして……
「ん? 2人ともどうしたの?」
今回のターゲット、このヴァリエ騎士王国の騎士王である姫騎士フェリシア!
「ふふふ…… ようこそ、聖位闘技大会へ」
救世の六英雄と呼び称えられる私のオモチャ達。
「愉しい
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