第240話 次の獲物は……
はい! てなわけで、やって来ました王城っ!!
「何をしている!?
さっさと歩けっ!」
「……」
ふぅ、我慢我慢!
落ち着け私! 私は原初の悪魔にして全ての魔を統べる魔神。
この程度の小者にいちいち苛立つ程狭量じゃない。
「何だ小娘、その目は?
冒険者風情が! 私は五大国アクムス王国がモブロ伯爵家の……」
「はい、落ち着いて下さい。
モブロ伯爵令息、今は陛下とギルドマスター殿が大会議室でお待ちですので」
こ、こここ小娘……この私が小娘っ!
このクソ野郎めぇ、好き勝手言わせておけば……よりにもよって小娘だとっ!?
この王城に向かうためにアランがよこした馬車の中でもグチグチグチと煩かったし。
あからさまに私達の事を見下してるし。
ここまでは寛大な、それはもう凄まじく寛大な心で我慢して来たけど……
もう許さない! 一思いに一瞬で消し去ってやる!!
「ゴミが、レフィーお嬢様に向かってなんて無礼な……
ミーシャ、ミリア、グラン、リリィー」
「はい」
「うん」
「ええ」
「はい!」
「ふふふ、あのゴミに死ぬ以上の地獄を味合わせてやりましょう……」
……怖い。
周囲に聞かれないように遮音結界。
それでいて一切の違和感がないように認識阻害の結界を無駄に高度な技術で使ってるところがメッチャ怖いっ!
うん、まぁなんだ、何かちょっと落ち着いちゃったわ。
ここで消し炭にされるより、後でシルヴィア達のお仕置きを受けた方がキッツイだろうし。
ここで一思いに殺っちゃうのは止めてやろう。
「では、こちらです」
「ちょ! 騎士殿っ」
ふ〜む、何であのクソ野郎が騎士には素直に従ってるのか謎だけど……
まぁ細かい事はどうでもいいや!
むふふ! ここで殺っちゃうのは止めてあげるけど、この鬱憤はしっかりアランに
報連相、これ大事!!
「さて」
世界樹も第20階層以降は七魔公の皆んなに丸投……げふん、げふん! 皆んなに一任したし、
でだ、冒険王ガスター、大賢者マリアナ、教皇クリス。
私の復讐対象筆頭である救世の六英雄のうち、半分には既に罰を与えたわけだけど……
アナスタシア教国では結構派手にやったし。
クソ女神こと、アナスタシアも本格的な介入を始めた。
消し飛ばした霊峰ルミエルは元通りにしたし、一応情報は漏れないようにしてるけど、クズ勇者とアバズレ聖女を筆頭とする人間共がそろそろ動き出すはず。
「ふふっ」
まだクリスと遊んでからそんなに時間は経ってないけど。
ちょうどこれからアラン達と会うわけだし! 次の獲物について伝えて、アレを提案しよう!
『楽しそうだね』
当然!
『それで、次は誰の番なのかな?』
クズ勇者とアバズレ聖女、そして私と私の大切な人達を皆殺しにしたアルタイル王国の人間共はメインディッシュだから最後!
『じゃあ次の獲物は……』
ヴァリエ騎士王国。
エレナと同様に若き天才として名高い騎士王……姫騎士フェリシア。
あの愚かでバカな小娘に、自身の罪を思い知らせてやるっ!
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