第222話 現実を思い知れ!
「ん〜!」
ふっかふかで触り心地最高なクッションに、だらし無くもたれ掛かってふんぞり返り。
召喚したスイーツを頬張って、ストローでジュースを飲み干す!!
「むふふ!」
これぞ至福!
これぞ至高!
魔神にして魔王、大陸統一国家である
『満足そうで何よりだけど……これ、いつまで続けるつもりなの?』
「う〜ん」
どうしようかな?
この鬼ごっこにおけるミッション〝狂信者クリスに一発暴行を加える〟を現在クリアしてるのはたったの4人。
その4人。
格上のクリス相手に聖騎士4人は頑張った。
それはもう頑張ってたけど、流石にクリスを取り押さえる事はできずに包囲を突破されそうになったその瞬間!
ついにクリスの執務室に他の騎士達が到着。
粘りに粘った4人の聖騎士はその役目を成し遂げた!
あの4人には拍手を送りたい。
『実際に、おぉ〜って言いながら拍手してたもんね』
アレが鬼ごっこが始まってから今に至るまでの間で一番盛り上がった瞬間だったな。
あそこでクリスが確保されてたらまた違ってんだろうけど。
結局あの後、到着した騎士達を前に正面突破を断念したクリスは執務室の窓を破って脱出。
疲労困憊で崩れ落ちる4人の騎士達の頑張りも虚しく、クリスを取り逃しちゃったからなぁ。
「ふむ」
聖都デサント全体を巻き込んでの鬼ごっこが始まって30分。
現在は聖騎士達だけじゃ無くて多くの聖都の住民達も逃走するクリスを追いかけてるけど、クリア者はたったの4人のみ。
まぁ、人間を愚弄するな! とか。
貴様の戯言を信じる者がいるハズが無い的な事をドヤ顔で言ってたし。
聖騎士を始め聖都の住民達が自分に暴行を加えようと、捕まえようと追って来るこの状況は精神的に結構きてるだろうけども……
クリスは仮にも旧魔王を討伐した救世の六英雄が一人。
このままじゃあいつまで経ってもクリスは捕まらないだろうし。
何より! 観てる私が面白くない!!
てな訳で、時間経過と通過者報告を兼ねて、ちょっと鬼達に手を貸してやろう!
むふふ! 信じていた人間達に裏切られ。
ジワジワと、けど確実に追い詰められる恐怖を味わうが良いっ!!
『経過報告、経過報告。
鬼ごっこ開始から30分、
ふふん! どうよ?
流石は私! 天の声システムを模倣してみたけど、結構上手くいったな。
さてと、ここからが本番!
「こほん……さて、愚かで醜い人間共。
聞いての通り、30分が経過して任務をクリアした者はたったの4人」
突如鳴り響く私の言葉に、クリスを探して聖都中を駆けずり回っていた人々が足を止め。
誰もが固唾を飲み込んで私の言葉の続きを待つ!
「喜べ。
そんなお前達に手を貸してあげる」
聖都のマップと、3人の位置情報を付与。
ついでに一時的に制限を解除してっと!
「いま、お前達に与えたマップに載っている3つの光。
赤は
そして、青い2つの点はクリスと同じく六英雄が2人、冒険王と大賢者の位置情報」
ガスター達は今まで鬼ごっこに参加できないお年寄りや子供達の避難誘導をしてたみたいだけど。
聖騎士や神官、住民達だけじゃあクリスを捕まえる事は難しいだろうし面白くないから強制参加させてやるわ!
「ふふふ、残り時間は1時間。
冒険王と大賢者の力を借りて、狂信者を追い詰めろ」
この状況でクリスと同格で、捕まえる事ができるかもしれない存在がいると知ればどうなるのか。
さぁ、自身の保身のために醜くい本性を曝け出して精々必死に足掻け!
そして愚かでクズな狂信者クリス。
信じていた人々に裏切られ。
信頼する仲間に追われて、追い詰められるという事実に! その現実に絶望するが良いっ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます