第173話 動乱の幕開け
「うにゅはっはっは!!」
あの顔!
救世の六英雄とか大仰な呼び名で呼ばれてるくせに唖然と目を見開いて、ポカンって口を開けちゃって!
ぷぷぷ! 間抜けだわ!!
ふっふっふ〜んっ! 流石に勇者共でもSランク冒険者を含む13万人が成す術もなく殺されたのは予想外だったみたいだな!!
まぁ、愚かにもあのSランク冒険者とその他大勢の有象無象の人間共が敵対した相手はなんと言ってもこの私なわけだし。
当然っちゃあ当然なわけだけど……ふっ、流石は私! これぞまさしく恐れ、畏れられる魔王様の所業っ!!
「にゃはっはっはっ!!」
あ〜、面白い!
もう面白くて、楽しくて、笑いが止まらないわ!!
バキッ!!
あっ……
ソファーじゃ無くてもふもふなミーシャにもたれて地面に座ってたせいで、思わず床をバシバシ叩いちゃったけど……なんか床から聞こえたらダメな音が聞こえた気がしたんですけど。
まぁうん、気のせいだな。
きっと、多分、気のせいのハズ! 手元の床が砕け散って陥没してるけど、気のせいだと思いたい。
と、とりあえずミーシャのもふもふ尻尾をもふもふ。
抱き心地最高のミーシャに抱きついて深呼吸して……よし、床は修復したしこれで何も問題無し!
という事で、私は勇者達の無様な姿を見ながらお酒を飲むのだ!!
「ふふ、ふははは! にゅふふふっ!!」
「レフィーお嬢様……はぁ、私はもう知りませんからね」
シルヴィアがなんか呆れたような顔で言ってるけど気にしない!
ついでにミーシャとミリア、リリィーの3人もちょっと苦笑いを浮かべてる気がしないでも無いけど気にしないっ!!
「あ、あの……レフィー様、流石にもうやめられた方がよろしいかと思うのですが……」
「んぅ〜、エレナぁ? やめるってなにを?」
ふっ、どうだこのキリッと凛々しく美しい姿は!!
むふふっ! さぁ、麗しき私の前にひれ伏すが良いっ!!
「んっ、んっ、んっ! んぅー!!」
あぁ、マジで最高! お酒が止まらないわー!!
「クックック! お嬢、いい飲みっぷりじゃねぇか!」
「とうぜんなのだ!」
何せ私は原初の悪魔な訳だし。
正真正銘の神様、超越者たる魔神な訳なのだ。
状態異常無効で酔う事がない私にとってこの程度は至極当然の事なのだよ!!
「ちょっとガルドさん! これ以上レフィー様を煽てないで下さい!」
「そうですよ。
あぁ、またそんなに一気に……身体もフラついてますし、大丈夫ですか?」
「あはは……クリスティア、エレナも僕達如きがレフィー様をお止めするなんて不可能だよ」
そう! この私を止める事なんて誰にもできないのだ!!
まぁ、何故かアランが苦笑いしてるけど……うん、まぁどうでもいいか。
むふふ! それよりも……
「そ、それは事実なのかな?」
「はっ! 冒険者ギルドを介して正式に各国へと通達された情報ですので、まず間違い無いかと」
勇者達の慌てふためく滑稽で無様な姿を観ながらお酒を飲まないと!!
「そんな! 13万人もの人達が犠牲になってしまっただなんて……」
「リナ……」
うわぁ、何あれ!
何かアバズレ聖女が悲しそうに涙を浮かべてるけど……ぷぷっ! わざとらしいわ!!
そんでもって、そんなアバズレ聖女に簡単に感化されちゃってる勇者達。
今あの場にいる中でわざとらしいアバズレ聖女に感化されて無いまともなヤツはガスターと、セラフィルにアリシアの3人だけか。
いやぁ、本当にバカで愚かだわ!
「んっ、んっ、ぷはぁー!
むにゃはっはっはっ!!」
まぁ、クソ勇者共がどうしようもないクズ野郎共で愚かなバカな事は今更だけど。
ふっふっふ、まだまだこんなもんじゃ無いのだよ!!
「ほ、報告を申し上げます!」
ほら来た!
「今度は何だ!?」
あははははっ! 取り乱しちゃって、みっともないわー!!
バーカ! バーカ! クズ勇者共のバーカ!! にゅははははっ!!
「はっ! たった今、冒険者ギルドから新たな通達が届きました。
それによると、10万の兵を単騎で殲滅し、半数もの損害を与えて連合軍を壊滅させた
「「「「「「「っ!!」」」」」」」
おぉー! 結構いい反応をするじゃんか!!
けど、それだけじゃ無いんだよね。
何たって私が魔王を名乗ってから既に1週間も経ってる訳だし! 既に動乱の時代は始まっているのだ!!
「さらに悪魔王国の女王に続き、獣王国の獣王陛下が魔王を名乗り。
追随するように妖精王、巨人王、吸血鬼が真祖、竜人王なども相次いで魔王を僭称いしました!!」
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