第7章 冒険者ギルド編

第121話 いざ! 冒険者ギルドへ!!

 歴史に残る大事件。

 五大国と称される大国アクムス王国の敗北と、悪魔王国ナイトメアの登場から早1週間。


「ご主人様、どうぞココアです」


「ん、ありがと」


 足を組んでミーシャ特製のココアを飲み、一息つきつつ優雅に足を組み替える。

 ふっ! 邪な人間の男共よ、我が美貌と威厳ある優雅な姿に見惚れるがいいっ!!


『悪魔ちゃん、今日はいつになくテンションが高いね』


 そりゃあ、なんたって今日は待ちに待った日! 前世からの夢がついに叶う日なのだ!!

 多少テンションが高くなるのも仕方ないと思う。


 それに! 今は一緒に馬車に乗ってアクムスの騎士達が随行しているのだ!!

 ふふふ、空間魔法によって内部が拡張されて広々とした部屋になっている内装を見た時の騎士達の顔!


 唖然と固まった上に驚愕に目を見開いて……ふふふ、思い出しても笑えるっ!!

 とまぁ、そんな訳で女性が2人と男が3人。

 アクムス王国の騎士が一緒にいるわけだけど、事実として男の騎士3人は私の美貌に……


「っ!?」


 あ、あれ? おかしい……誰一人として私の美貌に頬を紅潮させて無い!?

 それどころか女性2人も合わせて全員から生暖かい視線を感じるような……


『それで、前世からの夢とは?』


 おぉ! よくぞ聞いてくれました!!

 前世からの夢……それは、異世界ファンタジーに於いての大定番っ!!

 すなわち! 冒険者だっ!!


「ねぇ、シルヴィア」


「はい、如何致しましたか?」


「まだ着かない?」


「ふふふ、もうすぐですよ」


 そうか、もうすぐなのか。

 もうすぐで冒険者達が集う冒険者ギルド・アクムス王国王都フェニル支部に……っ!


『悪魔ちゃん……ついさっきも同じ事を聞いてたよね?

 流石にそわそわしすぎじゃ無いかな?』


 失礼な!

 子供じゃあるまいし、多少テンションが上がっていたとしてもそわそわ何てする訳ないじゃん。

 全く私の何処をどう見たら、そわそわなんてしてるように見えるのか……


『無自覚……いやまぁ、そうだろうとは思ってたけど』


 いや、だから子供みたいにそわそわなんか……


『うんうん、そうだね。

 けど、何でまた冒険者ギルドに? まさかとは思うけど……』


 ふっ、冒険者ギルドに行く理由なんてたった1つ!

 当然、冒険者になるために行くに決まってるじゃんかっ!!


 無事にアクムス王国とも国交を樹立して同盟を結べたし。

 大々的な戴冠式は後回しにしてアラン王子も早々に国王に即位し、混乱していたアクムス国内もかなり落ち着いた。


 この1週間、王都フェニルの一頭地に悪魔王国の大使館を作ったり。

 お城では国賓としてもてなされたけど……


 ぶっちゃけ、大使館作りは1日で終わっちゃったし。

 好きなだけごろごろ自堕落に過ごせたのは実に良かったけど、そろそろ次のステージに進まないとね。


「レフィーお嬢様、到着いたしました」


「っ!」


 さぁ、いざ行かん! 冒険者ギルドへっ!!


『次のステージにとか意味深な事を言ってるけど……はしゃいでる子供にしか見えないよ悪魔ちゃん……』

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