第120話 嫌がらせをしてやる!!
『先王の……』
その通りっ!!
つまりっ! 賢王と呼ばれた先王の忘れ形見である隠された王子、アラン・ジョン・アクムスに王位を継がせる事。
それこそが、グランツェ公を筆頭にピホッグ王に進言した事によって遠ざけられたり左遷されたまともな貴族達の真の目的だったのだ!!
「っ! 私の事は我が国でも最重要機密のはずなのですが……」
ふっふっふ! アラン以外はまだ驚いて声も出せないみたいだな。
ぬふふ、魂を直接覗き見る事ができる悪魔を前に隠し事なんてできないのだ!!
「私に……我ら
まぁ、調べたのは全部シルヴィアだけど……
それはともかく!
さぁ、もっと驚け! もっと私の……私達の凄さに! 偉大さに驚嘆して褒め称えるがいい!!
そもそも、あの豚ことアクムス王国国王ピホッグは王位に就くハズじゃ無かった人物。
確かに先王の王弟で王位継承権は持っていたたものの序列としては第二位で、王位継承権第一位は第一王子であるアランだった。
しかし、先の魔王との大戦において先王が戦死するとピホッグは幼い第一王子よりも自分こそが王位を継ぐべきだと主張。
まだ王太子を決めていなかった事が災いし、第一王子であるアランが成人するまでの間の臨時の国王としてピホッグが即位した。
まぁ、それが全ての間違いだった訳で。
そのせいで大国の王という地位と権力を手に入れたピホッグは好き勝手をするようになり暴走。
ピホッグに進言するまともな人間は遠ざけられて中央には無能がのさばるようになり。
ついには権力を手放したくたくないピホッグによってアラン王子は暗殺未遂が発生。
命の危険を感じたアラン王子は同じく危機感を覚えたていたグランツェ公爵を筆頭にまともな貴族達を頼り。
死んだと偽装し、ラーアンと名を変えてグランツェ公の子息として匿われていたと……
『へぇ、彼も結構苦労してるんだね』
まぁ、確かになかなかハードな人生を送ってるみたいだけど。
冤罪で拷問されて、恥辱されて、挙げ句の果てには見世物みたいに公開処刑された私ほどでは無いな!!
『……』
あれ? 何で急に黙るの?
なんかちょっと気まずいんですけど……ま、まぁ良いや。
それよりも今はもうちょっとドヤってやる!!
「それで、計画通り掃除はできたの?」
この言外に全部わかってるんだぞアピール!
ぐふふ、グランツェ公爵やアラン王子を筆頭に数名が息を呑むのが手に取るようにわかるわ!!
「ははは、本当に貴女様方と敵対しなくてよかった……はい、おかげさまでやっと我が家を綺麗にする事が叶いました」
「よもやその事までも……貴女様方はどこまでご存知なのでしょうか?」
きたっ! これぞ最高のドヤポイントっ!!
足を組み頬杖をついて軽く笑みを浮かべ……
「無論、全て」
決まったぁっ!!
今の私には神々しい後光すら差しているに違いない!
いやぁ、もう満足だわ。
あとはシルヴィア達に任せて大人しく……
「本当に貴女様は……貴女様方は何者なのですか?」
何者なのか、か。
まぁ、当然気になるよな。
現状私たちの事をある程度知ってるのはシルヴィアと交渉して契約を結んだグランツェ公爵だけな訳だし。
「殿下」
「っ、申し訳ありません。
不躾な質問でした、お許し下さい」
アラン王子を筆頭にグランツェ公爵以外は、他大陸の大国にして強大な力を持つとして私達の事を知らない。
そんな状態でよく私達と組んだなぁって思うけど……そこはグランツェ公爵の手腕が凄いのか。
まぁ、彼らが動くのはピホッグが死んだ後。
もし仮に私達が敗北して作戦に失敗しても彼らに不利益は特にないからこそだろうけど……
「別に構わない」
商業の中心地にして流通の中心でもあるアクムス王国とは是非ともいい関係を保ちたいし。
う〜ん、仕方ないか。
悪魔自体はこっちの大陸でも目撃されてるみたいだし、私が悪魔だって知られても恐らく身バレはしない。
そうと決まれば……ふふふ、クズ勇者共にちょっとした嫌がらせをしてやる!!
お馴染みの演出よう魔法陣を王都フェニルの上空に展開!
私達の姿を隠蔽魔法で隠して、この場所の映像をリアルタイムで映し出してっと!
「アラン王子、お前の質問に答えてあげる。
こほん……アクムスの代表達、そしてアクムス王国に住む民達よ」
ふふふ、さぁ驚愕せよっ!!
「我らは悪魔王国ナイトメア。
その名の通り
「やはり……では貴女様は……」
「そう、私は悪魔。
原初たる始まりの悪魔にして悪魔の神、全ての魔を司る魔神」
ふふふ、外は凄い騒ぎになってるな。
さぁ! クライマックスと行こうか!!
「我ら悪魔族について何も知らないお前達に教えてやろう。
そもそも悪魔族とはほんの5年ほど前まではこの世界に存在しなかった新しき種族」
「そ、それはどう言う……」
「信じるかどうかはお前達の勝手だが……今から約5年半前。
悪魔族は醜い人間共の勝手な都合により悪魔と呼ばれ、冤罪によって処刑された一人の少女の怨念によって誕生した種族だ」
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