第102話 第一回魔国会議
これまた国名と同様に知らない間に首都の名称が決定されており。
それが私の名前だと判明して徹底して断固抵抗した結果。
妥協に妥協を重ねて最終的に採用された私の名前を語呂的に読みやすいように組み換えた〝首都フィーレ〟の中央に聳え立つ白亜のお城の最奥。
不本意ながら定着してしまった大魔王の名に相応しく、豪華絢爛ながら品が良く厳かな空間。
この限られた者しか立ち入る事の許されない空間の中央に設置された長細い円卓の最奥に鎮座する玉座に腰掛け……
「ではこれより、第一回魔国会議を開始する」
魔国の、この大陸の支配者。
大魔王に相応しい威厳ある態度で厳かに、そしてカッコよく言い放った!!
ふっ、我ながら完璧!
今この場にいる全員が私の凄まじくカッコよく威厳ある姿に畏れと尊敬の念を抱いている事は確実!
この瞬間を! 威厳あるカッコいい私を演出するために半日もかけて特別会議室を作り込んだ甲斐があったわっ!!
『いや、ぶっちゃけ、子供が張り切ってる微笑ましい光景しか見えないんだよね……』
今何か言った?
あまりの完璧さに私とした事が、思わず自画自賛しちゃってたわ。
『いや、何も言ってないよ』
ふ〜む、怪しい。
怪しいけど……今は気分が良いから細かく追及するのはやめてやろう。
ふっふっふ、威厳あるカッコいい私の懐の深さと広さに感謝するが良い!!
『うん、そうだねー』
さて、本当はもっとこの感動に浸っていたい所だけど……そう言う訳にもいかないか。
何たって私はできる女!
仕方ない、本当に仕方ないけど、真面目にお仕事を頑張らないとね!!
てな訳で司会進行のシルヴィアさん! お願いしますっ!!
「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。
ではまず最初に各代表者の方から簡単に自己紹介をお願いします」
この場所に集まった面々は旧四魔王の勢力の中でも高い地位にある存在。
言ってしまえば我が
「では、私から。
竜都ドラゴニアの代表を務めさせていただきます、アーグベルです。
以後お見知りおきを」
大陸の四方に存在する四大都市。
グランが支配地であった大陸南西部の竜都ドラゴニアからはアーグベルやミランダ、メアリーといったお馴染みの6人。
「ふふふ、では次はワタクシが。
お初にお目にかかります、ワタクシの名はセシリアと申します。
以後よしなにお願いしますわ」
血王ミリアこと、今は私の眷属であるミリアーナが治めていた大陸北西部の血都ヨルからはグラマラスな美女を始めとする美形揃いが合計4名。
「じゃあ次は俺ですね。
どうも初めまして、鬼人のバランです。
若輩者ですが、よろしくお願いします」
北東部に位置する鬼王ヴィゴーレが治めていた鬼都ヴィ・ゴーレからは鬼人の細マッチョとスレンダー美人が2人ずつの計4名。
「では、最後は私ですね。
今回、死都の代表を務めさせていただくドレイクと申します。
皆様、よろしくお願いします」
そして大陸南東に存在する死王ゲヘディが治めていた死都モールデスからは、ぱっと見既に死んでいる不死者とはとても思えない騎士風のお兄さん達が5人。
取り敢えず四大都市の代表者に来てもらってるわけだけど……一つだけ言いたい事がある。
何で全員が会議室に入ってきた時にまるで私を神の如く崇めたの!?
いや、まぁ確かに神に至ったけどさ。
全員偉いんだよ? ぶっちゃけ王侯貴族みたいなもんなんだよ?
まぁ貴族制度を導入するつもりはないけど……とにかく! お願いだから面と向かって崇めないで! 恥ずかしい!!
「ありがとうございます。
では早速本題に入らせていただきますが、今回皆様に集まっていただいたのは、我ら
おっと、危ない危ない。
司会進行はシルヴィアがやってくれるとはいえ、会議に集中せねば!!
「もう既に皆様ご存知かとは思いますが。
我ら
そして勇者を始めとする数名及びアルタイル王国の滅亡です」
「1つ質問してもよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。
セシリアさん、どうぞ」
流石はグラマーな美女!
軽く手を挙げただけでおっぱいがボインって揺れたっ!!
「それが我らが王にして神であらせられるレフィー様のお考えならば意見などあろうはずもありません。
しかし、何故たかが人間の国如きを?」
うんうん、セシリアの疑問は尤もだ。
そもそも、クソ勇者やアルタイルの事は私の私怨だし、あんまり無関係な皆んなを巻き込みたく無いんだけどなぁ。
シルヴィア達は協力するって言ってくれてるけど……とりあえず事情を説明する必要があるかな。
「それは私から説明」
とりあえずこの場にいる全員に私の記憶を付与して……っと、これでよし!
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