第103話 またしても宿敵に……埋もれた
ユニークスキル〝付与者〟による記憶の付与。
これなら記憶領域にある記憶映像を直接付与するから一瞬な上にわざわざ時間を掛けて長々と言葉で説明する必要なし!
しかも、記憶の付与は言ってしまえば追加体験。
映画を見てるような感じだから、言葉で説明するのとは比べ物にならない程にわかりやすい!
「うん」
ふっ、我ながら惚れ惚れするような完璧な手際!
一回指を鳴らし、淡々と告げる淡い青色のワンピースに身を包む妖艶な大魔王ことこの私!
今のはかなり、カッコよかったんじゃない?
ふふふ、ふはっはっは! 今日の私はいつもとは一味違うのだ!!
「ふふふ、流石はレフィーお嬢様です」
ふふん! やっぱシルヴィアもそう思う?
まっ、当然だけどね。
何たって私は高貴にして高潔な原初の悪魔! この大陸の覇者にして大魔王と呼ばれし魔神だし!!
他の皆んなは付与されたまだ記憶を見てるし。
本格的に真面目な話を始める前にもっと褒めて良いんだよ? もっと私を褒め称えよ!
そして大魔王にして魔神たる我が威厳の前にひれ伏すが良いっ!!
『うわぁ、凄いドヤ顔……
けど……ぷっ、あはは、調子に乗ってるお子様にしか見えないよ?』
ふっ、これだから節穴の邪神は。
『いや、彼女は流石って言っただけで、そんな事は一言も言って無いよね?』
あぁ、ミーシャ特製のココアが美味しい。
ココアを飲みながらケーキを食す、これぞ至福の時間!!
むふふ……っと、そろそろかな?
「っ! こ、これは……」
「っ……」
「今のは……」
記憶の再生は終わったみたいだな。
しかし! これも計算通り! 子供みたいにケーキを食べる姿を見られるヘマはしないのだよ!!
「それは、私の記憶」
決まった〜!
足を組んで、手には
これぞ、優雅でカッコいい魔王様だわ!!
っと、危ない危ない。
威厳あるカッコいいポーズが見事にビシッと決まったとは言え、今は真剣な魔国会議の途中。
それに……何か妙にシリアスな感じの空気になってるし。
流石にこの重苦しい空気をぶち壊すのはちょっと……うん、よろしく無いわ。
けど、いきなりどうしたんだろ?
さっきまでも別に和気藹々って感じでも無かったけど、ここまでお通夜みたいな感じでも無かったはずなのに……
まぁいいや、丁度いいしこのシリアスな空気を利用させてもらおう。
「これが私が勇者共を滅ぼす……復讐する理由」
そう
「魔国の方針として、豊かな文化を築き発展させるためにも最低限の国交は樹立する。
皆んなには申し訳ないけど、これは決定事項」
それに、
この魔神の試練とか言うなかなかに厨二チックな名称が発覚したダンジョンで魔素の還元と循環を行なってはいるけど……
ぶっちゃけ、これだけじゃあ全然足りない。
このままじゃあ、ほんの少し滅びが先延ばしになるだけで最終的な滅びは確実だし。
てな訳で誰が何と反対しようが、悪いけど外界進出をやめるわけにはいかない。
「けど……」
勇者共の事は違う。
「勇者共への復讐は、私自身の問題。
だから別に皆んなが私の復讐に付き合う必要は……」
ガタン
ん? セシリア……いきなり立ち上がってどうしたんだろ?
トイレかなって、何で無言でこっちに歩いて……
「レフィー様」
「どうしたの?」
何故か俯いていて顔はよく見えないけど、近くで見るとやっぱり凄まじい!
これは、シルヴィアとミーシャ以上に……くっ、この巨乳、いや爆にゅ……
「どうか、ご無礼をお許し下さいませ」
け、けしからんっ!
なんて柔らかさと弾力っ! 何というおっぱいっ……じゃなくて!
何で突然セシリアに抱き締められてるんだろ?
「私は、私共は貴女様を何があっても裏切らないと誓います。
ですので、その様な事を仰らないで下さい。
どうか私共にも貴女様のために、貴女様と共に戦う機会を与えて下さいませ」
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