第101話 謀られたっ!
大陸統一国家、
神話にすら語れるような魔物が跋扈し、力ある魔人が住う大陸。
終焉の大地と呼ばれるこの大陸に君臨せし四魔王を降し、大陸全土を統一して建国された超大国。
そんな
最古にして始まりの原初の悪魔にして、超越者……神へと至った大魔王たる私は今……
「大魔王様っ!!」
「きゃぁぁ! こっちを見てくださったわ!!」
「あぁ! 神よっ!!」
何でこんな事になってるんだろう……
いつの間にか王城前の広場に増築されていたステージ上の玉座に腰掛け、思わず遠い目をしてしまった私は悪く無いと思う。
『ハイライトの失った死んだ魚みたいな目になってるね』
おかしい。
こんなハズじゃ無かったのに……うぅ、首都に引っ越してきた人達の視線がぁっ!!
やめて! そんな目でこっちを凝視しないで!
お願いだから私を見て崇めないでぇっ!!
本当なら今頃は、ふっかふかなベッドの上でもふもふなミーシャを抱っこして微睡を貪ってたハズなのに……!!
事実、30分程前まではグッスリとミーシャを抱っこしてもふもふを堪能しつつ惰眠を貪っていた。
既に大かた完成していたとはいえ、この1週間は気になる所をかなり細部まで仕上げてたから殆ど寝れてなかったし。
『いや、殆ど寝れてなかったって……悪魔ちゃん、普通に8時間は毎日寝てたよね?』
何言ってんの?
8時間
いやほんと、今思い返してもブラック企業も真っ青な程に勤勉に働いた1週間だったわ。
『ブラック企業……いや、まぁうん。
そうだね、悪魔ちゃんにとってはブラック企業並みに頑張ったんだよね』
ブラック企業並み、じゃなくてそれ以上に頑張ったわ!
まぁちょっと含みがあるような気がしないでもないけど……わかったのならまぁ許す!
とにかく!
それだけ頑張って本当にギリギリまで首都の細部にまで拘って、やっとゆっくりできると思ったのに!!
こんなにも頑張ったのに!
いきなりシルヴィアに起こされ、寝ぼけてる間に服を着替えさせられて意識がハッキリした時には既に……
これ程の手際の良さ。
計画的犯行なのは確実!
つまり! 私はシルヴィア達によって謀られたのだっ!!
『いや、悪魔ちゃんが昨日寝る前にちゃんと説明されてたよ。
まぁ船を漕いで半分寝てたし、普通に悪魔ちゃんが聞いてなかっただけじゃ無いかな?』
……とにかく! これは許すまじ事態なのだ!!
ふふふ、これは後でお仕置きが必要だな……ふっ、ふはっはっは! 皆んな前で見せつけるようにスイーツをはじめとする美味しいものを貪ってやる!!
『……』
ふっ、流石の邪神もお仕置きの余りの恐ろしさに声も出ないか。
まぁ当然だな。
この前の歓迎会で味わったけど、アレは中々に辛い。
アレを目の前で見せつけられるとすると……この私でも絶望感で涙目になっちゃう自信がある。
『はぁ……悪魔ちゃんはそこに座ってるだけで、この移住式典の進行は勿論。
首都の説明とかは全部他の皆んながやってるんだから程々にね』
むぅ〜、まぁ仕方ないか。
確かに何か熱烈な視線をそこらから感じるとはいえ、今はここに座ってるだけだし。
1週間ほど好きなだけ自堕落に生活するだけにしとくか。
「では、本日の式典はこれにて終了とします。
細かい説明は後日に、皆さんもまずは自身の家にて休養して下さい」
ん、終わったみたいだな……結局何もしてないし、とりあえず手だけ振っておこう。
まぁ、何はともあれ、これで首都の建造は達成! あとは鉄道網に国力の発展、そして軍備!!
殺したと思っていた私が現れたら、愛しの元婚約者様は……冤罪で私を殺してくれたヤツらはどんな顔をするのかな?
「ふふ、楽しくなってきた」
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