第68話 3人目の眷属

 四魔王が最後の一柱ヒトリ

 吸血鬼を統べる血王ミリア。

 真っ黒で艶やかな綺麗な長髪に、ルビーのような真紅の瞳の美少女。


 そう、美少女! ここ重要っ!!

 血王が女性だって事は知ってたけど、まさか美少女だったとは……


「ど、同類?

 何のことかな?」


 どうやら困惑してらっしゃるようだけど、私も困惑してるし驚いたわ!

 だって吸血鬼の女王なんて言うから、もっと妖艶な感じなのを想像してし。


 まぁ何はともあれ!

 美と言う事はだ! ミリアも貧……じゃなくて破壊力が乏しいと言う事に他ならないっ!!

 まぁ、それでも私よりはあるけど……


「ご主人様?」


「如何なさいましたか?」


 うん、この2人に比べたら全くもって許容範囲内。

 何としてもミリアを仲間に引き入れなくてはっ! 主に私の精神の安定のためにっ!!


『悪魔ちゃん、目が血走っててちょっと怖いよ?』


 あぁん? そんな事は今はどうでも良いんだよ!

 今大事なのは巨乳に挟まれた今の生活の中で、私の精神的安泰を得る事。

 すなわち! 如何にしてミリアを仲間に迎え入れるかと言う一点のみっ!!


「血王ミリア」


「ストップ! ストップ!!

 ちょっと待ってよ! 私はキミ達と敵対するつもりは微塵も無いから!!」


 それは僥倖!

 敵対するつもりがミリアに無いなら、仲間に引き入れるられる可能性はかなり高いんじゃないかな!?


「ほら、降伏するなら拠点に来いって言ってたからさ!

 いやまぁ、ゲヘディのバカのせいで信じられないのもわかるけど……本当に私には敵対する意思なんて無いんだってば!

 だからその獲物を見るような血走った目で睨まないで下さいっ!」


「ん……?」


 獲物を見るような血走った目で睨む?

 何の事か全くわかんないんだけど……


『さっき言ってあげたのに自覚すらして無いなんて……』


「レフィーお嬢様……」


「ご主人様……」


 あ、あれ? おかしいな?

 邪神が失礼な事を言ってるのはいつも通りだけど、何故かシルヴィアとミーシャにまで残念な子を見るような目を……むぅ、解せん。


 アーグベル達も苦笑いしてるし……まぁ良いや。

 今はそれよりもミリアの方が先決! いまいち話が噛み合ってない気がしないでもないけど。

 降伏に来たらしいし、この感じからして敵対する意思が無いって言葉に嘘は無い!


「降伏を受け入れる」


「えっ?」


「ミリア。

 眷属になって欲しい」


 ふふふん! どうよ!

 今の私にかかれば、この程度の会話なんて造作もないのだよっ!!


『いまいち話に脈絡が無いけど』


 シャラップ!

 そんな事実は聞きたく無いっ!!

 そもそも人間不信、他人恐怖症の私がここまで普通に話せたんだよ?

 それなのに褒める事もできないって、全くこれだからモテない男は……


「は、はい?

 降伏を受け入れる……それに眷属って」


「ミリアーナ。

 うん、私の眷属になるに当たってミリアに新しく名前を捧げる」


「えぇ!? ちょ、ちょっと待って下さい!

 いや別に眷属になる事に抵抗はないけど、まだここの準備が……」


「ミリアーナ、それがミリアの真名」

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