第44話 同盟軍
「さぁ、時は満ちた!!」
机に肘をついて顔の前で両手を組み、威厳を漂わせて厳かに言い放った。
「……」
「……」
『……』
き、気不味い。
なんだこの雰囲気は?
シルヴィアも、ミーシャも呆れたような視線で私を見ないでっ!!
邪神なんて直接この場に居ないくせに、呆れたような雰囲気を醸し出しやがって!
ふざけろよ!
ちょっとふざけてみたのに、まさか誰も乗ってくれないなんて……
「ふふふ、レフィーお嬢様、本日のケーキは如何なさいますか?」
「ケーキの付け合わせにご主人様がお好きなココアもご用意致しましょうか?」
シルヴィアもミーシャもおかしくない?
私は2人の主人! 2人とも私の眷属なはずなのに!
なんだその生暖かく柔らかな視線は! 2人の私に対する子供扱いはっ!!
「ベイクドチーズケーキ。
ココアも欲しい」
まぁ、当然ケーキもココアも貰うけども!
そもそもだよ。
確かにちょっとふざけたけどさ、時が満ちたってのは本当なのだよ!
ミーシャを眷属としてはや半年。
攻め込んで来た不届き者は漏れ無く養分となってもらって、今や我が迷宮は30階層を超える全35階層にまで成長した。
作ってる時は結構楽しくてノリノリだったけど、今にして思うと我ながら凄まじいダンジョンを作り上げてしまったものだわ。
もはや、このダンジョンを攻略できる猛者は存在しないと思う。
『本当に、まさしく悪魔の所業だよね』
「……」
自分でも若干そう思うだけに言い返せない。
最初は各階層毎にボスを設置するつもりだったけど、資金的にも厳しかったし、何より面倒だった。
だから、ボスの代わりに色んな問題を設置してわけだけど……
《一般的に空気に最も多く含まれる成分を答えよ》
そもそも、この世界の人や魔物に地球の知識を使った問題なんて解けるハズが無かった。
『しかも、一度でも間違えればダンジョン内の何処かへとランダムで強制転移。
本当に鬼畜だよね』
ま、まぁそのおかげでこのダンジョンが陥落する恐れは殆ど無い訳だし。
全く敵がダンジョンを攻略してくれないから面白くも何とも無いだけで別にいいんだけど。
「レフィーお嬢様、ベイクドチーズケーキとココアでございます」
「ありがとう」
基本的にゴロゴロと自堕落に過ごしつつ、戦闘訓練も兼ねて定期的に獲物を狩った結果。
当初の予定通り4勢力はその数をみるみる減らした。
まぁ、どの勢力も消え去ったのはとるに足らない有象無象。
本当に強い奴らはまだ生き残ってるから、全体的に見れば戦力自体は大した変わってないけど。
敵の数を減らし、勢力圏を狭め、逆に私達は力を蓄えた結果!
今や私達はこの大陸で最大の勢力と言っても過言では無い!!
「ステータス」
ステータス
名前:レフィー
種族:
加護:なし
称号:「原初の悪魔」「神の敵対者」「ダンジョンマスター」
眷属:シルヴィア、ミーシャ
DP:1380000
・ユニークスキル
「付与者」「付与魔法」
・固有スキル
「魔力体」「魂食」「高速再生」
・エクストラスキル
「鑑定」
・特殊スキル
「ステータス」
・スキル
「魔力制御LV8」「魔力操作LV8」「魔力感知LV6」
・耐性
「魔法攻撃耐性」「物理攻撃耐性」「精神攻撃耐性」
未だに進化はしてないけど、付与魔法とか言うユニークスキルも手に入れたし。
まだまだダンジョン内を彷徨ってるヤツは結構な数がいるからDPにも余裕がある。
それに、シルヴィアの話ではそろそろ……
「来たか」
机の中央に映し出される立体映像。
ダンジョンの外部をリアルタイムで映し出しているその映像に姿を現した者達。
「潮時か」
本音を言えばもうちょっと数を減らして、私達のための養分になって欲しかったところだけど……仕方ない。
それにしても……
「4勢力による同盟軍、ね」
立体映像には、荒野の先まで視界を埋め尽くす程の魔物達の軍勢が映し出されていた。
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