第9話 安眠ゲットだぜ!!
『追伸、ちょっと表情が固すぎるよ?
内心では叫んでるのに口に出さないし、そんな無口無表情キャラだったら嫌われちゃうぞ!』
……死ねばいいのに。
そもそも冤罪であんな死に方をすれば、誰だってこうなると思う。
少なくとも人間不信になって無口になるし、表情筋は普通に死滅する。
経験者たる私が言うのだから間違いない!
でもそうか。
同じ世界に転生してたのか。
そうかそうか……あのクソ聖女も、顔だけの勇者も、厚顔無恥な人間共も!
全員がこの世界で、のうのうと生きている!!
クソ邪神が適当な嘘を言ってるって可能性もゼロじゃないけど。
あの邪神からは特に悪意や害意は感じ取れなかったし、恐らく邪神の言っている事は事実。
何で悪意がどうとか自然と判断できてるのかは自分でも分からんけど、多分あれだ。
人間共に受けた仕打ちの影響で他者の感情に敏感なったとか、悪魔的な何かとかかな?
まぁ、そんな事はどうでもいい!
重要なのは……そうとわかれば、こんな所で絶対に死ねないという一点のみ!!
「楽しみだなぁ〜」
悪魔になった事で人間だった頃とは精神の構造が変わってしまったのか、ぶっちゃけ今は殺される直前ほどの苛烈な怒りや憎悪は感じない。
とは言っても、別にあの時の激情が消えた訳でもない。
人間だった頃は精神の許容量をオーバーしたけど、今は最大許容量が増えてデフォルトになった感じかな?
まぁ何にせよ、私が! 家族が!
私の大切な人達が何の罪も無く殺されたのに、ヤツらがのうのうと生きているのは気にくわないし許せない。
復讐!! 本当に楽しみだなぁ。
泣き喚き、絶叫し、発狂して、醜く命を乞う! 苦痛に歪むヤツらの顔を想像するだけで……
「ふふふ」
『いやぁ、流石は悪魔ちゃん! 実に邪悪な笑顔だよ?
基本無表情なのに、
……せっかく良い気分だったのに台無しなんすけど。
というか、神様って暇なの? まぁ邪神だから暇なのかもしれないけど。
ぶっちゃけ、鬱陶しいからどっか行って欲しいわ。
『酷いなぁ、これでも結構忙しいんだよ?
せっかく面白そうだから、ご褒美をあげようと思ったたのに……やめちゃおうかなぁ?』
「褒美だけよこして、さっさと失せろ」
『あはは、この私にそんな事を言えるのは、多分キミぐらいだよ? まっ、面白いから別に良いけどね。
さてと! じゃあ悪魔ちゃんのお望み通り、ご褒美を授けてあげよう』
『ぴろん!
管理者・邪神(笑)よりギフトが配布されました!』
邪神(笑)って……いや別にどうでもいいけど。
そんな事よりもギフト! ぶっちゃけ、今の状況って半分以上詰んじゃってるし。
ここまで私の期待を膨らませておいて、転生特典の時みたいな悪質な詐欺だったら……相手が神だろうが邪神だろうが多分キレる。
『キレるって悪魔ちゃん、あれはキミ自身が望んだ結果だよ?』
ナチュラルに人様の思考を覗きやがって……プライバシー侵害!
仮にも神として、そんな事が許されるの!?
『それが許されるんだよね、何せ神だし』
そうだった。
神って悪魔なんかより、よっぽど質の悪い連中だったわ。
聖書とかでも、悪魔よりも神の方が大量殺戮してるし。
『それは私とは関係無いんだけどね。
私は悪魔ちゃんの前世の前世、地球とは関係……はあるけど、とにかく! 殺戮に関して私は無関係だよ』
「どうでも良い。
それよりも、早くギフトの説明をして」
『あはは、酷いなぁ。
けどまぁ私も暇じゃないらしね、キミのご要望通りギフトの説明をしてあげよう』
ウザい。
私への当て付けみたいに、暇じゃないとか言ってるところが特にウザい。
『キミに授けたギフト。
それはダンジョンの権能で作り出せる配下を、最初の一度だけ取捨選択できる権利……と言っても、実際に選択できる訳じゃなくて、キミの要望を汲んで作り出せるってだけだけど。
まぁ簡単に言えば、SSR以上確定かつ自由に選択できるガチャチケットだよ』
「なるほど」
邪神の言うSSRってのがどれ程の強さかは知らんけど、それなら確かにこの状況を打破する事ができるかも。
『因みにSSRの強さは個体にもよるけど、さっき悪魔ちゃんが殺されかけてたエルダーリッチ程度なら多分勝てるよ?』
マジですか!
よっしゃあ! これで今日と明日以降の安眠ゲットだぜ!!
『本当に、内心と表情がマッチしてないよねキミ』
邪神が何か言ってるけど気にしない!
まぁ、何で邪神がガチャチケットとか知ってるのかは謎だけど……そんな事はどうでもいい!!
「ふふふ」
いやぁ、若干どころか殆ど詰んでた状況に光が差して、気分爽快だわ!!
『あはは、本当に悪魔ちゃんは面白いね。
それじゃあ早速、配下の創造……眷属召喚をやってみようか』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます