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それはともかく、明日はついに冒険に旅立つ日だ。




リュカから旅立ちの許しが出た。


ここから先、生き残れるかどうかは自分次第。だが、リュカの厳しい特訓を乗り越えた自分なら、きっと大丈夫だろう。そう前向きに考えることにした。




思い返せば、本当に大変な日々だった。


武器の扱い方や、モンスターが現れた際の対処法、冒険に必要な知識や技術まで、一通り教わった。


一人前とまではいかないが、新米冒険者として旅立つ準備は整ったらしい。




その日の夜、ジュンは翌日の旅立ちに向けて準備を進めていた。




レベルバッジには道具を収納する機能が備わっており、レベルが上がるほど多くの物を出し入れできるらしい。


ゲームでいう「アイテムを99個まで所持可能」というのは、こういう仕組みだったのかもしれない。


現在のレベルはⅢ。持てるアイテムの種類は10種類までだが、リュカから貰った冒険用の肩掛けカバンもあるため、カバンを併用すればさらに2~3種類は追加で持てそうだ。




「さて、とりあえずリュカにもらった餞別を収納しておこう」




彼は手早く道具を整理していく。意外にも、準備するものはそれほど多くはなかった。


さらに、お金に関しても携帯する必要はない。


この世界では、レベルバッジが「電子マネー」の役割を果たしているのだ。モンスターを倒したり、ギルドで依頼を受けたり、人助けをしたりすることで、自動的に報酬が記録されるという仕組みだ。




「このバッジ、本当に便利だな…」




装備についても、リュカの特訓時に使用していた軽装の服に胸当てを追加したもので済ませることにした。


ジュンの扱う武器や戦闘スタイルを考慮し、リュカが軽装の方が適していると判断したのだ。




「よし、とりあえず準備はこれで完了かな」




明日から始まる冒険――それは、異界の端を探し求めるという途方もない目的を持った旅だ。


だが、これはジュン自身が初めて決断した生き方。未知への不安はあるものの、決意に揺るぎはない。




「大丈夫、やると決めた以上、もう後戻りはできないんだから」




そう自分に言い聞かせ、ジュンは目を閉じた。


そして、翌朝。


ついに冒険の旅立ちの時がやってきた。

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