第39話 魔法の王たちの肖像画

話は戻って・・

再び 未来 にゃんこの王国・・展示会


多分 あの白のエルトニア姫が 街の祭りに現れてた事を知った時点で


もういいか・・と思って 日記にアルテシア姫も黒の王・火竜王(サラマンデイア)

アーシュラン様も 記載されたんだろう


それに居直って 祭りにまで 来ていたから


だが、しかし

何故 最後の白の宗主 白と黒の国の王 片腕の王リアン様の日記にまで・・?


口元をずっと引きつらせつつ アリステアは思う


偶然・・その答えをステラ教授が口にする


「いや 驚きましたよ あの日記を発見して 読んだ時は


何故 二番目の時間旅行に加わってなかった

最後の白の宗主リアンの日記に記載されてるのか」ステラ教授


「なんでも このキャンデイ 

白の国で料理職人が初めて作った試作品で


それを偶然 手にいれたリアンが 

アルテイア姫に土産だと手渡されて 気がついたのが

きっかけで 問い詰めたとか」手にしたキャンデイを見せるステラ教授


成程 それで

「最初は 最後の黒の王であるアーシュランの時代の肖像画


それから三百年前の悲劇の火焔の王であるアジェンダ王達 

それより前 中期の救世主の火焔の女王ヴァルジニテ」



「あ 三人が描かれてる絵だ」とリア


小さな絵 大人の姿の黒の王に ソフアに座っている

二人の姫 エルトニアとアルテイシア


「その絵は 雪深い地

不毛で今は誰も住んでいた地で発見されたんだよリア君」


「そこは 以前 白と黒の国の宿敵で 巨人族が暮らしていた地だ


多分 巨人族の王によって 

闇に落ちたもう一人の火竜王(サラマンデイア)

テインタル王女の持ち物だっただろう」


「有名な あの巨大な巨人の骨で作られた 

異形の城の遺跡で見つかったんだよ」ステラ教授


「ほら こっちの大きな家族の肖像画

この幼い少女がテインタル王女」ステラ教授


テインタル王女の瞳は あのアーシュランと同じ 不思議な焔の色


「うわあ 本当に綺麗で可愛い 

黒の王妃もすごく麗しい 二人よく似てる」ナジュナジュ


「もう一人の火竜王(サラマンデイア)の名の通り 焔色の瞳だね」リア


「あ・・でも アーシュラン様いないね」ナジュナジュ



「この頃 アーシュラン様は 

人族の側室の子としてないがしろにされていたんだ


まだ子供だった時に 白の国に人質に出されたんだ」アリステア


「その時に白のエルトニア姫と出会い 恋をした」


巨人族によって 黒の国は滅ぼされて 黒の王族は 幼い王女テインタルと

国にいなかったアーシュラン以外は皆 殺された」


「予知能力のある アーシュランの父王は 

それを知っていたが 避けられない運命だったと


アルテイア姫の父親 リュース公の日記には書いてある」アリステア


「そのリュース公って 娘のアルテイシア姫と一緒に巨人族と戦って

黒の国を取り戻した一人だよね」リア


「そうそう、魔法学校で 習ったねリア君」ステラ教授


「はい」リア


「こちらが片腕の2つの王国の王 最後の白の宗主リアン

彼は美丈夫だね 淡い金髪に淡い青の瞳 優しそうな穏やかな笑顔だ」


「こっちが アルテイシア姫とその父親リュース公の肖像画だよ」ステラ教授


「あ 金髪だ!黒の国の人間と同じで 耳は長いけど 羽は白い・・結構な美男子・・」

ナジュナジュ


「母親は白の王族だそうだ 名前はわからないが」アリステア


「こっちは黒の王に仕えたセルト将軍とその妻のナーリン」ステラ教授


「妻は若い人間の女性 耳の形が 普通の人間


セルト将軍は 今はいない竜人だ 

魔法は使えないが 怪力だったそうだ」


竜の顔と鱗に覆われた大男


「本来 運命により決められた黒の王族の守護者すぁる

竜人は一人だが 最後の黒の王と救世主の火焔の女王だけ

二人いた」


「出会った瞬間に それが分かるそうだ

最後の黒の王アーシュランの場合は 途中で一人は失った」


「これも巨人族の城の遺跡と黒の国の王都の遺跡で見つかった 

あの伝説の魔法画だよ」


二枚の魔法画 赤い子竜と四枚の白い翼のオッドアイの白鳥の絵


「赤い子竜は まだ幼い黒の王子アーシュランをモデルにしたもの

もう一つのモデルは エイルの叔母にあたるエリンシア姫か エルトニア姫だろうと言われてる」


「一説には 描いた画家は竜人だったそうだ」


「伝説って・・あの!」 ナジュナジュが驚いて言う


「そう百年前まで まだこの魔法画の幻影達は生きていた」


「絵もあと一枚 もう一つ・・白い竜達の魔法画の絵があった


手を触れたら絵の中から飛び出し 美術館の中を飛び回っていたが・・」


「あの百年前の大惨事・・自然の驚異・・


地震と津波と大火事が同時に 美術館のある街を襲った」


「すると 街の人々を守る為に 三枚の魔法画・・白い白鳥と赤い子竜と 

白い竜たちとユニコーンなどの幻影達が絵から飛び出し


その持てる魔力で 赤い子竜は 大火事を消し去り


白い白鳥は 津波を止めて ゆっくりとした普通の波に変え


白い竜とその仲間の幻影は 地震を止めてた・・


その日 以来・・白い竜達の絵は消え去り

2枚の絵は残ったものの

だだの普通の絵になった


恐らく 魔力を使いきったのだろう」


「こつちは 白い竜達の絵の複製画だ」白い竜達の絵を指さすステラ教授



アーシュの子供時代の絵を見ながらステラ教授は


「そう言えば リア君・・君 

黒の王アーシュランに心を読まれたろう?」ステラ教授


「えっ?」リア


「金に近い髪の少年の心を視たと

見つかった黒の王とアルテイシア姫の日記に書いてあった」ステラ教授


「自分の最後や先にエルトニア姫が死ぬ事も


テインタル王女やアルテシア姫の事も


リアンが王になる事も」ステラ教授


「・・そうですか・・」リア


やっぱり あの時 踊っている時に身体に触れて

金色の瞳に変わった・・ 視たんだ 僕の心・・記憶を・・


「えっ! 先に死んじゃうのエルトニア姫?」 ナジュナジュ


「うん 黒の王アーシュランの為に 若くしてね


後を追うように

彼も すぐに 妹のテインタル王女も彼の為に犠牲になる」リア


昨日会ったばかりの あの伝説の黒の王

生身で見た彼 明るい笑顔とか話声


本で読んだ時の感情とは違う思い


複雑な思い・・同情と悲しみ


「リア」泣きそうなナジュナジュ


「うん、ナジュナジュ でも もう全ては時の彼方なんだね」リア

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る